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平成28年度路線価について

平成28年度の相続税・贈与税の土地等の評価額の算定基準となる「平成28年度路線価」が去る7月1日に、全国の国税局・税務署で一斉に公表されました。
 路線価とは、その年の1月1日時点での価格として発表された公示価格を基準として、その80%を目安に、より細かく道路に付けられる価格です。
 路線価は、公示価格と異なり直接税額に影響を与えることになる為、より慎重に安全性を考慮して実勢価額よりも低めに設定されます。

(1)全国平均8年ぶり上昇
 平成28年分の路線価は、全国約32万8千地点の平均変動率が前年比0・2%プラスとなり、リーマン・ショック前の20年以来、8年ぶりに上昇に転じました。金融緩和や円安を背景とした国内外の不動産投資の活発化や訪日外国人客の増加に支えられ、全国平均が押し上げられた形です。

(2)14都道府県で上昇~大都市圏と地方の二極化続く
 都道府県別では、東京・大阪・愛知など10都府県が前年に続いて上昇し、大半が上げ幅も拡大しました。中心都市を抱える北海道・広島・福岡・熊本の4道県が上昇に転じました。また、下落した33県のうち29県は下落率が縮小しました。
 上げ幅の大きかった都道府県のトップは東京で、2・9%でした。対して、最も下げ幅の大きかったのは秋田の3・9%で、大都市圏と地方との二極化が続いています。

(3)最高路線価は25都市で増加
 都道府県庁所在地の最高路線価を見ると25都市(前年は21都市)で上昇しました。大阪・御堂筋の百貨店「阪急うめだ本店」前の上昇率が22・1%とトップでした。東京23区内や名古屋、訪日客が多い京都・金沢・福岡など10都市で上昇率が10%を超えました。一方、下落は前年の12から5に減り、下げ幅は鳥取の4・3%が最大でした。

(4)最高路線価は3,200万円~リーマン前を上回る
 都道府県庁所在都市で見た場合の最高路線価は、31年間連続で東京・銀座中央通りの『鳩居堂前』で1㎡当たり3,200万円(前年比18・7%上昇)で、上げ幅は全国でもトップとなりました。
 その他の都市では金沢の上昇率が13・6%と大阪・東京・京都・名古屋に次いで全国5位の高さでした。新幹線開業による効果が顕著に表れています。

今後の路線価が今年のように上昇していくかどうかについては、今後の不動産投資が活発に行われるかどうかによるところがありますが、今年に入ってからインバウンド需要の減速感や英国のEU離脱決定に伴う金融市場の混乱などの影響もあり、来年も上昇していくかどうかについては不透明であると言えます。

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