今回は「結婚・子育て資金の一括贈与」について、その資金口座に係る契約の終了と「結婚・子育て資金」に該当する具体例をご説明します。
1. 結婚・子育て資金口座に
係る契約の終了
結婚・子育て資金口座に係る契約は、次の(1)~(3)の事由に該当したときに終了します。
(1)受贈者が50歳に達したこと
(2)受贈者が死亡したこと
(3)口座等の残高が0になり、かつ、その口座に係る契約を終了させる合意があったこと
右記(1)又は(3)の事由に該当したことにより、結婚・子育て資金口座に係る契約が終了した場合に、非課税拠出額から結婚・子育て資金支出額を控除した残額があるときは、その残額が受贈者の上記(1)又は(3)の事由に該当した日の属する年の贈与税の課税価格に算入されます。((2)の事由に該当した場合には、贈与税の課税価格に算入されるものはありません) したがって、その年の贈与税の課税価格の合計額が基礎控除額を超えるなどの場合には贈与税の申告期限までに贈与税の申告を行う必要があります。
2. 結婚・子育て資金とは(領収書等の提出が必要となりますのでご注意ください)
(1)結婚に際して支払う次のような金銭(300万円を限度)をいいます
①挙式費用、衣装代等の婚礼(結婚披露)費用(婚姻の日の1年前の日以後に支払われるもの)
②家賃、敷金等の新居費用、転居費用(一定の期間内に支払われるもので、賃貸借契約締結日から3年を経過する日までの間に支払われたもの)
(2)妊娠、出産及び育児に要する次のような金銭をいいます
①不妊治療・妊婦健診に要する費用
②分娩費等・産後ケアに要する費用
③子の医療費、幼稚園・保育所等の保育料(ベビーシッター代を含む)など
以上、これまで三回に亘って「結婚・子育て資金の一括贈与」についてご説明いたしました。その費用の内容や取扱いなど、結婚・子育て資金の範囲に関するご質問等は、内閣府子ども・子育て本部へお尋ねください。なお、内閣府ホームページ【www.cao.go.jp】にも結婚・子育て資金の範囲に関するQ&Aなどの情報が掲載されています。