平成25年4月1日より開始されました教育資金の一括贈与に関して、平成27年12月31日で終了する予定でしたが、昨年末に発表されました平成27年度税制改正大綱で平成31年3月31日まで延長する記載がありました。
今回はその「教育資金の一括贈与」について3回に分けて説明します。
1. 制度の概要
平成25年4月1日から平成27年12月31日までの間に、個人(30歳未満の方に限ります。以下「受贈者」といいます。)が、教育資金に充てるため、金融機関等との一定の契約に基づき、受贈者の直系尊属(祖父母など)から
①信託受益権を付与された場合
②書面による贈与により取得した金銭を銀行等に預入をした場合
③書面による贈与により取得した金銭等で証券会社等で有価証券を購入した場合
(以下、これら①~③の場合を「教育資金口座の開設等」といいます。)、これらの信託受益権又は金銭等の価額のうち1,500万円までの金額に相当する部分の価額については、金融機関等の営業所等を経由して教育資金非課税申告書を提出することにより贈与税が非課税となります。
その後、受贈者が30歳に達するなどにより、教育資金口座に係る契約が終了した場合には、非課税拠出額※1から教育資金支出額※2(学校等以外に支払う金銭については、500万円を限度とします。)を控除した残額があるときは、その残額がその契約が終了した日の属する年に贈与があったこととされます。
※1「非課税拠出額」とは、教育資金非課税申告書又は追加教育資金非課税申告書にこの制度の適用を受けるものとして記載された金額を合計した金額(1,500万円を限度とします。)をいいます。
※2 「教育資金支出額」とは、金融機関等の営業所等において、教育資金として支払われた事実が領収書等により確認され、かつ、記録された金額を合計した金額をいいます。
今回は教育資金の一括贈与制度について概要のみご説明いたしました。
次回は教育資金口座の開設・教育資金口座からの払出し及び教育資金の支払についてご説明いたします。