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相続税の計算の基礎となる財産の評価方法 2

前回は土地の評価の概要についてふれましたが、今回は具体的な評価方法について説明をします。

 相続税法上、土地の評価については路線価方式と倍率方式の二つの方法があります。路線価方式は、各道路に付された路線価を基に評価する方法で、市街地宅地の評価に適しています。これに対して、倍率方式は固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて評価する方法で比較的地価の開差の少ない郊外住宅地、農村宅地等の評価に適しています。

 したがって、通常、路線価方式は市街地的形態を形成する宅地の評価に適用し、倍率方式はその他の地域の宅地の評価に適用することになります。
以下では更に具体的に評価方法について説明します。

 まず路線価方式ですが、基本的な計算式は路線価×地積であります。これによりその地域の標準的な形をした土地の価格が算定できます(下図参照)。

しかし個々の土地には間口が狭すぎる、奥行が長すぎる、形が不整形、道路に面していない等々、利用効率が悪いものもあります。
 そこで個々の形状や位置によりその土地の価値を減額します。
 具体的には、奥行き価格補正率、不整形補正率等を使用して路線価の価格を調整します。
 逆に、宅地に面する路線が正面の一つだけではなく、側方に接している宅地いわゆる角地や前後や三方の路線に接している宅地等(下図参照)については、一方にしか路線に面していない宅地等に比べて利用しやすいので、その分価値が高くなるのが一般的です。そこでこの評価額を算定するにあたっても、その土地の利用効率を反映した一定の調整を加えて評価をすることになります。

このように路線価方式は個々の土地の実情に合わせた評価を行うことができます。
 これに対し倍率方式は固定資産税評価額×倍率という計算式で算出され、路線価方式のような個々の形状を考慮した補正は行わず、単純にその地域の土地の価格帯を基に平均的に算定されます。固定資産税評価額は市役所や市町村で調べることができ、倍率については税務署に備えつけてある倍率表で調べることができます。

 以上のように土地の評価はこの二つの方法で算定されます。また土地の利用形態によっては、貸地や借地権のように様々な権利が付着している場合があります。次回はこのような土地についての評価について説明したいと思います。

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