前回は消費税の届出書について説明しました。今回は、その届出書の内、課税事業者選択届出書と簡易課税制度選択届出書の提出によって消費税をどのように納付しなければならないのか、又は還付を受けることができるのかを簡単な数字で説明していきます。
このように、「預かった消費税」が「支払った消費税」よりも大きい場合には、免税事業者は課税事業者を選択するメリットはありません。何も提出しなければ、消費税を納付することはないのですから、何もしなければ良いのです。
逆に納税義務者となっている人は、簡易課税制度選択届出書の提出によって消費税の納付税額が増減する可能性がありますので、その提出の有無を検討する必要があります。
このように「預かった消費税」が「支払った消費税」よりも少ない場合にも、当然ながら免税義務者には納付額も還付額も発生しません。
しかし、納税義務者については、簡易課税制度選択届出書の提出の有無によって消費税が納付となるのか、還付となるのか真逆の結果が出ます。簡易課税制度は消費税の計算を簡単にする代わりに、計算上必ず納付が生じる事となります。届出書1枚によって還付と思っていたものが納付となる可能性もありますので、事前のプランニングが非常に重要です。
最後に、消費税の「選択届出書」は「選択不適用届出書」を提出しなければ、継続して選択し続けている事になります。過去に選択届出書を提出した人については、今現在、消費税の届出関係がどのような状態になっているのかを把握しておく事も重要です。