今回は相続時精算課税制度のうち、住宅取得等資金に係る贈与税の課税の特例について説明します。
相続時精算課税制度の適用を選択した者については、2,500万円の特別控除が設けられ、特別控除額を超えて贈与を行った場合にも一律20%の低率で贈与税が課税されます。
この相続時精算課税制度による贈与のうち、贈与財産が住宅等を取得するための資金であるときには、平成19年12月31日までの贈与に限って、特別控除額が1,000万円上乗せされ、合計3,500万円の特別控除が設けられています。 そこで今回は適用要件を、次回は具体的な計算方法及びその手続きについて説明します。
《年齢要件》
相続時精算課税制度の適用対象者は贈与者については65歳以上の親、受贈者については20歳以上の子とされていますが、この住宅取得等資金の贈与があった場合には、贈与者の年齢要件が緩和されます。
つまり、相続時精算課税制度を選択する際の贈与者についての年齢制限がなくなります。
《住宅等の範囲》
住宅取得等資金に係る贈与税の課税の特例は受贈者が贈与資金を住宅等の取得に充てることが要件となっており、その住宅等とは以下の方法により取得した住宅等をいい、要件はそれぞれ次の通りです。
①住宅等の新築又は新築住宅等の取得
要件
・家屋の床面積の1/2以上が居住用であること
・住宅の床面積が50㎡以上であること
②中古住宅等の取得
要件
・家屋の床面積の1/2以上が居住用であること
・住宅の床面積が50㎡以上であること
・建築後一定の期間内のものであること
③一定の増改築等
要件
・100万円以上の増改築等であること
・増改築後の家屋の床面積の1/2以上が居住用であること
・増改築後の住宅の床面積が50㎡以上であること
《住宅等の取得期限》
贈与を受けた年の翌年3月15日までに取得し、居住することが要件となります。
次回は、住宅取得等資金に係る贈与税の課税の特例のうち、上乗せされる特別控除とその計算及びその手続きについて説明します。