Q.質問
私はアパートを賃貸しておりますが、賃借人が家具類やガラクタ等を放置したまま行方がわからなくなっています。賃料も半年分ほど滞った状態です。荷物等を処分するにはどうしたらよいでしょうか。裁判する必要があるでしょうか。その場合の手続きを説明願います。
A.回答
まず、賃借人が行方不明になっても、賃貸借契約は有効に存続しています。家具やガラクタ類は行方不明でも賃借人の所有物ですから、これを勝手に処分すると、窃盗罪ということになります。裁判で判決を貰って、強制執行によって処分する必要があります。
裁判するには、賃料不払いを理由に賃貸借契約を解除したから明渡せという必要があります。しかし、行方不明のままですと、契約の解除通知を相手に到達させることが出来ません。このため、以前は解除通知を公示送達という方法で行っていましたが、最近では訴状で「賃料不払いを理由に賃貸借契約を解除して建物の明渡を求める」という方法が一般的です。
ただし、訴状は公示送達の方法によらなければなりません。そのためには、公示送達の申立書を提出します。
この公示送達の手続きでは、行方不明であることを証するものが必要です。住民票の写し、戸籍の付票等の他に、何時から賃料が支払われていないか等を貴方の陳述書等で明確にすることや、玄関等の郵便受けから郵便物があふれていることや、電気のメーターが動いていないことや、電力会社に止められている等の写真を添付する必要があります。
こうして公示送達が認められますと、裁判が始まります。相手は出頭しませんから、それなりの証拠で判決がでます。その判決が確定しますと、判決に執行文と送達証明書をもらい、執行官に強制執行の申し立てをします。
執行官は催告執行を行った後、家具やガラクタ類を競売しますので、貴方の側がこれらを買い取って、明渡し執行が完了します。買い取った物は貴方の側で処分することとなります。