Q.質問
賃貸マンションの一階に住んでいますが、上の階の男の子の騒音に困っています。私は勤めの関係で夜が遅く就寝中であるのに、早朝から走り回り、やかましくて寝ていられません。
親に注意してくれるよう申し入れても、子供のことだからと取り合ってくれません。
どんな解決方法があるのでしょうか。
A.回答
マンションという集合住宅に住む場合、上下、左右のお隣間で、お互いに騒音等で迷惑を掛けることがよくあります。
貴方の場合、親に注意しても聞いて貰えないということですから、大家さんに早朝は貴方がまだ就寝していることを説明して、大家さんから上の階の人に注意して貰うのも一つの方法です。それでも効果がないようであれば、大家さんを交えて上の階の人と話し合ってみてはどうでしょうか。騒音の原因がフローリングによるものであれば、厚手のカーペットをひいて貰う等の方法があるはずです。また、あまりにも騒音がひどい場合は、上階の借主に立ち退きを求める交渉や訴訟をすることも可能ですが、これは大家さんがすることで、大家さんに代わって貴方が行うことはできません。
こうした大家さんによる協力が得られないときは、上階の人に騒音の深刻さを感じてもらうために、早朝の騒音を出さないようにすることを求めて、調停を申し立てるという方法もあります。
また、当該マンションに居住することが苦痛で住居を他のマンションに移さざるを得なくなったような場合は、転居に要した費用や、精神的に苦痛を負ったことの損害賠償の民事裁判を上階の人を相手に提起することも可能です。この場合、裁判例によりますと、加害行為の有用性、妨害予防の簡便性、被害の程度及び存続期間、その他の双方の主観的、客観的な諸般の事情に鑑み、平均人の通常の感覚ないし感受性を基準として判断して、一定限度までの生活妨害は社会生活上やむを得ないものとしてお互いに受忍すべきものである一方、受忍の限度を超えた騒音ないし振動による他人への生活妨害は権利の濫用として不法行為を構成する…(東京地裁平成6年5月9日判決)。この判決は受忍限度内にあるとして原告の請求を棄却しています。他にも同様の棄却例があります。
こうした例をみますと、出来る限り大家さんの協力を求めるべきで、それが得られない場合でも、調停の申立てに止めるべきでしょう。