Q.質問
私は、所有する家屋を賃貸するにあたり、借家人に保証人を立ててもらおうと思っていますが、どのような点に気を付けて賃貸借契約書を作成すればよいでしょうか。
また、保証人の責任の範囲、契約を更新した場合の保証人の責任などはどうなるのでしょうか
A.回答
まず、保証人は借家人があなたに対する債務を履行しない揚合、保証人がこれを履行する責任を負うという、貴方と保証人との間の契約です。
保証には単なる保証と連帯保証がありますが、単なる保証人の場合は、催告とか検索の抗弁権がありますので、現実に請求する場合は厄介な問題が生ずる場合がありますので、借家人本人の資力と関係なく請求することができる連帯保証人としておいた方がよいでしょう。市販の契約書ではたいてい連帯保証人と記載しているようです。
こうして、連帯保証人として立てても、無能力者であったり、全く資力がないような人では話になりません。したがって、契約の内容で、賃借人に保証人を立てる義務を定めておくと、保証人に能力者であり、かつ資力を有する人を立てる義務が生じます。しかし、これで安心ではありませんので、契約を締結する前に保証人予定者の印鑑証明書の提出を求めたり、面談する等して確かめておいた方が良いでしょう。
次に、保証人の責任ですが、「保証債務は主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償、その他その債務に従たるすべてのものを包含する」(民法447条)ことになっています。
この保証人の責任は主たる債務の範囲を超えることはできません。
契約が更新された場合の保証人の責任ですが、裁判例では借家法(借地借家法)の適用を受ける建物賃貸借は期間の更新が原則であり、実際、賃貸借は更新、存続は常識化しているから保証人たる第三者も更新存続を予想すべきだとして、更新後の保証人の責任を認めています(東京地裁昭和56・7・28判決)。しかし、民法617、619条等の規定もあることですから、保証条項に「この保証責任は契約が更新した場合、更新後も存続する」旨明記しておくのが良いと考えます。