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借家と敷地利用権 -通常の使用に必要・合理的な範囲で-

Q.質問

私は一戸建ての家屋を賃借していますが、敷地が広いので、空いた部分を家庭菜園や賃貸の駐車場として利用したいと考えています。家主は認めないと云っていますがどうなのでしょうか。

A.回答

貴方が家主から賃借しているのは、建物です。しかし、建物を占有使用(以下単に使用といいます)する場合は、当然にその敷地の使用権限が伴っています。

 それでは、建物の敷地とみられるものであれば、自由に使用してよいのかというと、建物の賃貸借であることからの制約があります。建物の賃貸借ですから、本来借家契約の際に敷地の使用が出来る目的と範囲を決めておくのがよいのですが、その取り決めがなくても、通常の使用に必要で合理的な範囲であれば、使用権限が認められます。しかし、制限なく使用権限があると見ることは出来ません。

 それでは、必要で合理的な範囲とは、どの様な場合を云うのでしょうか。これは公道から玄関に至る通路、必要な範囲の洗濯物干場、自家用の駐車場(但し、形態上、第三者に貸すことが出来るような場合は無理でしょう)等になるのではないでしょうか。

 借家のものではなく、借地の裁判例ですが、借地敷地内の空地を家庭菜園として使用した場合とか貸し駐車場とした場合、これらの部分には借地権の効力が及ばないとしたものがあります。貴方の場合、家主の承諾があれば空地部分を家庭菜園や貸し駐車場とすることは出来ますが、家主の承諾がない場合とか、家主が反対の意思を表明しているとき等に敢えて家庭菜園や貸し駐車場とすると、家主の土地を貴方が権限もないまま勝手に使用したり、家主の土地を勝手に他人に貸すということになります。そうなると、用法違反となり、建物の賃貸借契約についても、信頼関係が破壊されたことを理由に、契約を解除されて、建物を明渡さなければならなくなるという事。

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