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自営業者の休業損害 ―税務申告がない場合は?

Q.質問

私は今年から自営の電気工事業に従事していますが、交通事故に遇い仕事を休んでいます。  加害者と休業している間の補償について話合いを続けていますが、私は今年から自営業者になったばかりで、まだ税務申告をしておらず、加害者と損害額が折り合わず困っております。どうしたら良いでしょうか。

A.回答

 交通事故に遇い、損害を受けそのために働くことが出来なくなり、回復するまでの間、就労による収入が得られなくなった場合、加害者に対し、事故がなければ得られたはずの収入について、これを休業損害としてその賠償を請求することが出来ます。

 休業損害の算定ですが、通常、事故前3ケ月の収入から1日当たりの収入を計算し、休業日数を乗じると損害額が出ます。サラリーマンのような定期的な収入がある場合は、算出し易いのですが、自営業者の場合は毎月の収入に変動が大きい場合が多く、過去3ケ月程度では合理的な結果は得られません。少なくとも過去1年間程度の期間の収入を基準とすべきです。そして、その収入は公的な証明である必要があります。通常前年度の税金の確定申告書(控)が基準となります。

 貴方の場合、事業を始めて間がなくて、まだ税金の確定申告をしたことがなく、所得の公的な証明が得られないということですが、貴方が専属的下請け業者で、元請からの支払い証明が得られれば別ですが、そうした手掛かりもない場合、賃金センサス(賃金構造基本統計調査)による平均給与額によって貴方の収入を確定すること以外に方法がありません。貴方としては、そうした方法で加害者側と話合いをすべきでしょう。賃金センサスについては市販の資料がありますので、それによって、加害者側と話し合って下さい。しかし、どうしても加害者側が同意しないときは、裁判によらなければならないでしょう。裁判の例では、賃金センサス・産業計・男子労働者学歴計の年齢に相応した平均年収を算出して休業損による賠償額を計算する事例が一般的です。

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