マイコプラズマ肺炎は、マイコプラズマ・ニューモニエという細菌に感染することでおこる感染症です。潜伏期が長く早期の咳が長引くのが特徴です。乳幼児が感染した場合は風邪程度で済み、7日間程度で快方に向かいます。一方、小学生以上の学童期頃や大人が感染した場合には、肺炎にまで重症化することがあります。
☆マイコプラズマ感染症の検査
検査は迅速キットで行います。綿棒でのどを拭い取るだけの簡単な検査で、15分程度でわかります。
☆マイコプラズマ肺炎の治療
マイコプラズマ肺炎を早く治す特別な方法はありませんが、適した抗生物質を正しく服用することが重要です。
①残念ながらマイコプラズマ肺炎を予防するワクチンは、2024年時点では存在しません。
②咳止めや解熱鎮痛剤の使用によって症状を軽くすることは可能です。
③できるだけ早期に適切な抗生剤治療を開始することで重症化を防ぎ、症状の軽快につながります。
☆マイコプラズマ肺炎の抗生剤治療
マイコプラズマ肺炎は、細菌感染が原因であるため、マクロライド系やテトラサイクリン系、ニューキノロン系の抗生物質を使用します。しかし、最近はこれらの抗生物質の効かない「耐性菌」が増えてきています。医師の指示を守り正しい用量用法及び期間での内服が必要です。
☆マイコプラズマ肺炎の感染予防
この細菌の感染経路は飛沫感染もしくは接触感染で、発症前から病原菌を排出します。このため周囲にマイコプラズマ肺炎にかかった人がいる場合は、風邪やインフルエンザの予防方法と同様に手洗い、うがいを心がけましょう。
①病原菌を含んだ飛沫に対しマスクを着用して咳エチケットに心がけましょう。
②手についたつばや鼻水を拭い、鼻水はティッシュで拭いて、そのあと手洗いをこまめに行いましょう。また、病原菌のついた物品を共有することでうつることがありますので、家族であっても共有しないことが大切です。
③病原菌は、熱や界面活性剤に弱いという特徴があり、石鹸を使っての手洗いに心がけ予防に努めましょう。
☆仕事や学校へ復帰する時、気をつけること
症状が治まり、仕事や学校に復帰する時は周りへ感染させないことが重要です。
⑴仕事への出勤
成人の場合は子どもよりも重症化しやすいので、熱やひどい咳など、つらい症状がある場合には、無理せずに仕事を休むことが賢明です。また、飛沫感染による感染を避けるためマスクをして咳エチケットには十分気をつけましょう。
⑵学校への登校
学校への登校については、かかりつけの医師と相談しながら登校を検討しましょう。呼吸器内科か耳鼻咽喉科へ行くとスムーズでしょう。
マイコプラズマ肺炎を早く治す方法は、医師から処方された薬をしっかり服用して休養を取ることが一番の近道です。