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カスタマーハラスメント対策

「カスタマーハラスメント対策」
私はスーパーマーケットの店員です。先日、店内でお客様に商品の場所を尋ねられた際、間違った場所をお伝えしてしまいました。すると数分後に、そのお客様から「急いでいるのに無駄足を踏ませた。お前のせいで、これから遠方までタクシーに乗らないといけない。」と居丈高に言われました。何度も真摯に謝罪したのですが、「遠方までのタクシー代はどうしてくれる。店としての回答を示してくれ。」と言われてしまいました。
 こうしたお客様にはどのように対応すれば良いのでしょうか。

 顧客等からのクレームには商品やサービス等への改善を求める正当なものもありますが、過剰な要求や不当な言いがかりとなるものも残念ながらあります。
 顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により労働者の就業環境が害されるものは、カスタマーハラスメント(以下、カスハラといいます)であると言われています。
 本件の場合、誤った商品の場所を伝えてしまったというサービスの瑕疵はありましたが、相談者は真摯に謝罪をしています。それにもかかわらず、数分の時間を無駄にしたといって遠方までのタクシー代を「どうしてくれる」と威圧的に暗に支払を要求するのは社会通念上不相当な言動であり、相談者やその他の現場店員の就業環境が害されるカスハラに他なりません。「店としての回答」は、店長等の責任者から、サービスの瑕疵については謝罪したうえ、タクシー代の支払いには応じられない旨、明確に伝えるべきでしょう。
 昨今、カスハラが社会問題となっています。それぞれの企業等において、カスハラに備え、組織としての基本方針の策定、組織内の相談体制の整備、対応方法の取り決め、研修等を行なっておく必要が高まってきています。実際にカスハラが生じた場合には、正確な事実確認を行ない、商品やサービスに瑕疵があった場合には、当該瑕疵については組織として謝罪し、商品の交換や適切なサービスの提供を行ない、かつ、不相当な要求には応じない姿勢を明確にしなければなりません。万一、顧客等の要求の態様が暴行、脅迫、業務妨害等に該当する場合には警察への通報も要検討です。また被害を受けた従業員への配慮(繰り返されるカスハラへの組織的対応、メンタルヘルス不調への対応等)、再発防止に向けた取組等、継続的な対応が必要です。

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