お薬の「一包化」とは、聞きなれない言葉かもしれませんが、朝、昼、晩、寝る前など飲む時間帯ごとに1袋にまとめることです。
☆お薬一包化のメリット
⒈飲み間違い・飲み忘れがなくなる
⒉錠剤の紛失がなくなる
⒊介助のスタッフの負担が減る
⒋自分で分ける手間がなくなる
☆お薬一包化のデメリット
⒈低料金ではあるものの、料金がかかる
⒉調剤に時間がかかる
⒊自分で薬を減らしたり増やしたりの調整はしづらい。(自分だけの判断で増減せず医師に相談してください)
⒋お薬一つ一つの名前が分かりにくい
などのメリット・デメリットがあります。ただデメリットとしたお薬一つ一つの名前は、ほとんどの薬局で袋に印字ができます。また、朝食後などの用法、飲み忘れをしないための日付、氏名、病院名、科名なども印字できます。さらに薬局で必要な項目を伝えれば印字してくれます。
☆お薬を一包化してもらうには 基本的には医師の指示が必要です。お薬の管理に自信がない方や、錠剤をシートから取り出すのが難しい方は、診察の中で医師に相談してみてもいいでしょう。薬剤師に相談し、医師に確認をとってもらうこともできます。
一方、一包化ができない場合もあります。例えば湿気に弱かったり、厳密な管理が必要だったりするお薬、他のお薬と分けたほうがよいもの、症状に応じて自己調整がいるお薬は、一包化に適していません。
☆一包化の料金は(診療報酬としては一包化加算と言います)
一包化加算とは、一包化する時に加算される料金のことで、2022年度診療報酬改定により「外来服薬支援料2」と名称を変更し、薬学管理料に分類されることになりました。処方日数や剤数、薬剤の種類など様々な点を確認し、計算されます。
お薬の投与日数に応じ、次に掲げる点数が所定点数に加算されます。
①42日分以下の場合、投与日数が7又はその端数日数を増すごとに34点を加算して7日分ごとに34点(340円)
②43日分以上の場合、一律240点(2,400円)
(ちなみに1点は10円です。)
患者さんには保険が適用され、1割〜3割の負担になります。一包化の量や日数によっても料金は異なりますので、ここで述べた料金はあくまで目安です。
☆処方箋による一包化の実際
医師が必要と判断した時に、処方箋に一包化と記載されます。処方箋にこの3文字が入っていないと一包化はできません。しかし、薬局で薬剤師がお話を聞いて、必要と判断した時は、医師に疑義照会として連絡をし、OKが出たら可能です。
お薬の一包化の中で最も留意すべきことは、誤って服用すべきお薬と異なるお薬が一包化された場合、一包化調剤後に薬剤師や患者さんが誤りに気付かず、そのままお薬が交付され、患者さんが服用する、などのミスがないように十分な確認と注意が必要です。