令和4年度の相続税・贈与税の土地等の評価額の算定基準となる「令和4年度路線価」が7月1日に公表されました。どういった内容が発表されたのか説明させてもらいます。
1.路線価とは
路線価とはその年の1月1日時点での価格として発表される公示地価を基準に、その80%の水準を目安として、路線に付される価格です。今年度の路線価の調査地点は約32万6,000か所と、国土交通省が公表する公示地価の対象地点(約2万6,000か所)よりはるかに多いです。路線価は、公示地価と異なり直接税額に影響を与えることになるため、より慎重に安全性を考慮して実勢価格よりも低めに設定されています。
2 全国平均は2年ぶりに上昇
全国には30万地点以上の標準地が設定されており、その評価基準額の地価変動率は、全国平均で対前年比+0.5%(前年マイナス0.5%)と2年ぶりに上昇しました。
国土交通省が本年3月22日に公表した令和4年公示地価でも、全国平均で2年ぶりに上昇しており、コロナ禍からの持ち直しの動きが出始 めたと見る向きも多いようです。
ただ、その上昇カーブは極めて緩やかなものであり、ウクライナ情勢や資源・エネルギー価格の高騰など、全面的な景気回復とは程遠い状況であることから、地価情勢に関してもまだまだ不安定な状況にあると考えられます。