PDF

夏になると咳が長く続く、それは夏型過敏性肺炎では!!

夏型過敏性肺炎は、西日本を中心に夏季、湿った屋内で繁殖した真菌の胞子を、反復吸入することによって起こります。症状は、咳や発熱、身体のだるさなどで、夏風邪の症状とよく似ているため、病院で夏風邪と診断されることもあります。咳が長く続くことが顕著です。ちょっとした行動でも息切れを起こすこともあります。

(1) 夏型過敏性肺炎の原因は?
原因となるカビは室内に生えるトリコスポロンで、吸い込まれたこの胞子が最も細い細気管支や肺胞に入ります。それが繰り返されると、アレルギー反応が起こり肺に炎症が起こるのです。肺胞に炎症が起こるとガス交換が十分に行えないため、息切れが起こったり咳を繰り返します。このトリコスポロンは温度20℃以上、湿度が60%以上になると活発に活動し、夏場の高温多湿になるほど繁殖し、たくさんの胞子を飛ばします。真夏を中心に6月から9月にかけて、注意する必要があります。このトリコスポロンはキッチンや洗面所、バスルームだけでなく、風通しが悪く湿度が高くなる押入れやサッシ、それにエアコン内部にも繁殖するので注意しましょう。

(2) 夏型過敏性肺炎の予防対策は?
夏型過敏性肺炎を予防するためには、原因となるカビのトリコスポロンを除去する必要があります。キッチンや洗面所の場合は、水はねをきれいに拭き取るように雑巾を用意しておいて、気付いたら拭くようにしましょう。トリコスポロンを取り除くためには、酸素系などの洗剤を利用することも有効です。バスルームは入浴後に熱いお湯を壁にかける、窓を開けて風を通すようにします。もし、乾燥機があればさらに効率よく湿気を取り除くことができます。

(3) 夏型過敏性肺炎の治療
夏型過敏性肺炎は、軽症な場合には原因となるアレルゲンを避けるだけで大幅に軽快します。中等度以上では、のみ薬のステロイド薬を短期間使用します。呼吸困難を起こしている場合は入院し、点滴で多量のステロイド薬を3日間ほど投与するステロイドパルス療法を行います。肺炎が長時間続くと、慢性過敏性肺炎と言われ、急激に悪化して呼吸ができなくなることがあり、その場合は半数近くの人が亡くなるとの報告があります。

毎年、梅雨前後のじめじめした季節になると咳が出て、長引く中、旅行などで数日家を離れると症状が軽減するが、家にもどると咳が止まらなくなるという方は、夏型過敏性肺炎の発症を疑ったほうがいいかもしれません。早めに、呼吸器内科を受診しましょう。
(注意)アトピーや気管支喘息、花粉症などを起こす人をアレルギー体質と言いますが、過敏性肺炎はそうした病気とはまったく別のアレルギーで、アレルギー体質の人が起こしやすいわけではありません。

Contact

土地活用・新規出店・サービスに関するお問い合わせ
ご質問・ご指摘等ございましたらこちらからお問い合わせください。

お電話でのお問い合わせ

TEL 06-6361-2571

受付時間: 09:00~17:00(土日祝休み)

フォームからのお問い合わせ