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秋から冬に流行する感染症にご注意ください

流行する病気には「季節」があります。今回は秋から冬に流行する感染症をピックアップし、ご紹介します。

1.RSウイルス感染症
 RSウイルスが原因の感染症です。1歳までに70%、2歳までにほぼ100%の子供が罹ると言われ、何回も感染します。
 症状としては、発熱を伴った喘鳴が特徴で、乳児喘息とも言われました。最近になって、RSウイルスが原因の感染症だとわかりました。罹ると中耳炎になることが多く、喘息になりやすい子は長い間ゼーゼーすることがわかっています。重くなると呼吸困難を起こし、入院しなければいけないと言うことも多く、インフルエンザより厄介なウイルスです。この病気は迅速診断キットができてから簡単に診断できるようになりましたが、保険の適用はありません。

2.インフルエンザ
 普通冬から春先にかけて流行し、例年、RSウイルスよりも遅れてシーズン入りします。「冬のカゼの王様」と呼ぶ人もいます。なるべくワクチンなどで予防したいものです。11月からインフルエンザ・ワクチンの接種を開始します。13歳未満のお子さんは2回接種ですので、流行が本格化する前に済ませておくことをお勧めします。
 インフルエンザウイルスは、毎年、ちょっとずつ変わってくるので、ワクチンを接種してその年は軽く済んでも、翌年の新型ウイルスのため発病すると言うこともあります。

3.ノロウイルス感染症
 ノロウイルスは、例年晩秋から初冬にかけて流行します。嘔吐、下痢、軽度の発熱などを引き起こしますが、たいていは軽く済みます。しかし非常に感染力が高いため、学校や病院などで大きな流行になることがあります。又通常用いられるアルコールでは消毒できないため、周囲環境の消毒のための塩素系消毒薬が必要となります。
 予防の基本は、食事前や調理前には手をしっかりと洗うこと。トイレのあとも同様です。又食材はしっかり加熱することです。最近、迅速診断キットも出てますが保険適応はありません。

4.ロタウイルス
 ロタウイルスは、2月位から流行し、感染すると最初に便が白っぽくなって、大抵高熱が出て、ものすごい勢いで吐き、その後、米のとぎ汁様の、お水みたいな白っぽい便が長く続きます。このため脱水症状を引き起こすことが多いので、点滴をしたり入院したりということが多くなる病気です。ロタウイルス胃腸炎になると嘔吐、下痢、発熱などを来たしますが、ノロウイルスに比較すると、症状は強く長く続く傾向があります。
 昨年から導入されたワクチン(ロタテック、ロタリックス)が浸透しつつあります。ただし、まだ任意(自費)接種であり、 2~3回接種で2万円ほどの負担がかかってしまうのが難点です。

5.溶連菌感染症
 A群β溶血連鎖球菌という名の細菌感染によって起こる病気の総称です。寒くなりはじめ(晩秋から初冬)、又は暖かくなり始め(春先)に流行する病気で、3歳~7歳位が一番かかり易いようです。一度罹ったら一生罹らない病気ではありません。中には2~3回罹る人もいます。中には症状の軽いものもあって、なかなか普通の風邪との区別が難しく流行状況が解りづらいと言う特徴があります。
 これも迅速診断キットがあって、ノドを調べるとはっきりと診断ができる病気ですので、見逃さないようにしたいものです。

 今回は、これからの季節に流行しやすい感染症についてお話しました。それぞれの感染症に応じた予防に留意ください。

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