前回、新型インフルエンザについて解説しました。その後2カ月で流行のスピードは加速し、10月中旬で感染者は1週間で10万人以上と言われています。死亡者も20名を超えました。これだけ流行してくると感染を完全に予防することは難しく、感染を拡げないために、一人一人が「感染しない」「感染を拡げない」予防策を再確認し実践しましょう。
☆インフルエンザの感染経路は次の2通りです。
①「飛沫感染」…感染している人のくしゃみや咳、つばなどの飛沫(ひまつ)と一緒に放出されたウイルスを、のどや鼻から吸い込むことによって感染します。
②「接触感染」…飛沫が付着したものを触ることによって、手を介して口や目、鼻の粘膜から感染します。
☆新型インフルエンザの感染拡大は一人一人が防ぐ。
①「手洗い」と「うがい」を徹底しましょう。
「接触感染」に対して有効な予防方法は「手洗い」です。手に付着したウイルスを体内に侵入させないよう、外から帰ったとき、食事の前、調理の前、トイレの後など、こまめに手を洗いましょう。市販のアルコール消毒液などを使って、手を消毒するのも効果的です。一方空気が乾燥すると、のどの粘膜の防御機能が低下するため、インフルエンザにかかりやすくなります。のどに潤いを与え、粘膜の働きを取り戻すためには、うがいがおすすめです。
②感染を拡げないために
「咳エチケット」を守りましょう。
自分が患者になったときは、くしゃみや咳の飛沫を他の人にかけないよう、「咳エチケット」を守りましょう。
・咳やくしゃみをするときは周囲の人から離れる。
咳やくしゃみの飛沫は、1~2メートル飛ぶと言われています。
・咳やくしゃみをするときは、他の人から顔をそむけ、ティッシュなどで口と鼻を覆う。口と鼻を覆ったティッシュは、すぐにごみ箱に捨てましょう。
・咳やくしゃみを押さえた手を洗う。咳やくしゃみを手で覆ったら、手を石けんで丁寧に洗いましょう。
・マスクを着用する。咳やくしゃみが出ている間は、マスクを着用しましょう。使用後のマスクは放置せず、ごみ箱に捨てましょう。
☆感染を拡げないために「隔離」を。
家族が患者になった時には、患者と他の家族は別の部屋で過ごし、患者と接する時はマスクを着用しましょう。熱が下がっても、新型インフルエンザの感染力は残っています。発熱などの症状がなくなっても、周囲の人への感染を防ぐため、発熱や咳、のどの痛みなどの症状が始まった日の翌日から7日目までは、できるだけ外出しないようにしてください。
☆新型インフルエンザワクチンの標準的なスケジュール(参考)