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令和元年の路線価発表

令和元年度の相続税・贈与税の土地等の評価額の算定基準となる「令和元年度路線価」が7月1日に公表されました。新聞等で目を通された方も多いかと思いますが、改めて路線価とはどういったものなのか、前年と比較して今年はどうなったのか等を説明させてもらいます。

1.路線価とは
 路線価とはその年の1月1日時点での価格として発表される公示地価を基準に、その80%の水準を目安として、路線に付される価格です。今年度の路線価の調査地点は約32万9,000か所と、国土交通省が公表する公示地価の対象地点(約2万6,000か所)よりはるかに多いです。路線価は、公示地価と異なり直接税額に影響を与えることになるため、より慎重に安全性を考慮して実勢価格よりも低めに設定されています。

2.全国平均は4年連続上昇
 全国の標準宅地の対前年変動率の平均値は前年比で1・3%のプラスとなり、4年連続の上昇、そして上昇率はこの4年で最も高くなりました。地方にも波及しつつあるインバウンド需要の増加を背景に再開発を進めていることなどが路線価を押し上げる要因になっていると考えられます。

3.全国最高路線価は銀座5丁目、鳩居堂前
 全国の最高路線価は、34年連続で東京・銀座の文具店「鳩居堂」前で1㎡あたり4,560万円でした。昨年に続き路線価の過去最高額を更新しましたが、上昇率は前年の9・9%から2・9%と縮小しています。上昇率のトップは北海道のニセコで5年連続になりますが、こちらも東京銀座と同様に、前年の88・2%から50・0%の上げ幅となり、縮小傾向となっております。交通網の整備が進み、利便性の良い大都市圏と地方の差が開く傾向はなかなか変わらないのが現状です。

4.京都・大阪の6カ所が上昇率トップ10にランクイン
 路線価上昇率の全国トップ10のうち、近畿からは京都と大阪の商業地6カ所がランクインしました。京都・祇園近くの四条通が43・5%増の244万円/㎡で第2位、JR新大阪駅近くのニッセイ新大阪ビル前も38・9%増の150万円/㎡で第4位となりました。外国人観光客増加による商業用地の収益性向上、大阪府東部を南北に走る「おおさか東線」が3月に全線開業したことにより利便性が上がり、オフィスやホテルの需要が強まっていると考えられます。

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