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タワーマンションに係る地方税の適正化2

平成29年度税制改正大綱にて、平成30年度から新たに課税されることとなる居住用超高層建築物(高さ60mを超える建築物のうち、複数の階に住戸が所在しているもの・以下タワーマンション)について見直しが行われることとなりました。
前回は従前の固定資産税の計算方法と、何故タワーマンションの固定資産税に関する見直しが入ったのか等をご説明しました。
今回はどのような計算方法に改正されたのか、具体的な事例を交えつつご説明致します。
〈各層の固定資産税の計算方法は以下のように計算されます〉

① 居住用超高層建築物全体にかかる固定資産税・都市計画税額を各区分所有者に按分する際に用いる区分所有者の専有部分の床面積を、階層別専有床面積補正率(※)により補正します。
② 居住用超高層建築物の居住用の専有部分の取得があった場合において、評価額を当該専有部分の床面積割合によって按分して得た額に相当する価格の家屋の取得があったものとみなして課する不動産取得税について、階層別専有床面積補正率(※)により補正します。
③ ①②に加え、天井の高さ、附帯設備の程度等について著しい差違がある場合には、その差違に応じた補正を行います。
④ 居住用以外の専有部分を含む場合は、居住用部分についてのみ階層別専有床面積補正率(※)を適用します。

文字だけでは分かりにくい部分もありますので、実際に具体例を用いて考えてみます。
例 40階建てタワーマンション

各階10戸・全体で400戸・1戸あたり床面積100㎡
タワーマンション全体での土地・建物の固定資産税
100,000,000円

従前の固定資産税の計算では、各部屋の床面積に応じて按分されることになるので、1階の部屋であっても、40階の部屋であっても床面積が同じであれば固定資産税の負担額も同じになります。(上記の例でいくと、どちらも250,000円)
 しかし、タワーマンションは、一般的に、階層が上に行くほど眺望や日当たり等の理由から需要が高く、低階層階の部屋に比べて取引価格が上昇する傾向にあるにも関わらず、固定資産税の計算において階層ごとの取引価格の差違が考慮されず、結果として、高層階の所有者ほど固定資産税の税額が相対的に低くなるという課題がありました。

今回の改正によって、高層階の所有者ほど固定資産税の税額が相対的に低くなるという今までの課題が解消され、階層による取引価格の傾向を踏まえた形で固定資産税が調整されることになったと言えます。

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