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タワーマンションに係る地方税の適正化1

今回はタワーマンションに関する改正について二回に亘ってご説明いたします。
 マンションを区分所有している場合、現行制度では固定資産税を以下のように計算します。

(1)マンション1棟の固定資産税を算出する
 まず、マンション1棟全体にかかる固定資産税を計算します。
 固定資産税は土地と建物それぞれに課税され、それぞれの固定資産税評価額に税率(標準税率1.4%、市町村により異なります)を乗じた額が固定資産税額となります。

(2)各部屋の床面積に応じて按分する
 上記①のようにマンション1棟全体にかかる固定資産税が決定したら、それを各部屋の床面積に応じて按分し、部屋ごとの固定資産税を算出します。
 例えば、固定資産税が50万円のマンションを、Aさん・Bさん・Cさんの3人が専有面積1:1:3の割合で区分所有している場合、それぞれが負担する固定資産税の割合は面積の割合と同じになるため、固定資産税額はAさん:10万円、Bさん:10万円、Cさん:30万円となります。

 各部屋の固定資産税額の決定に影響を及ぼすのは、原則として床面積の差違のみであることから、同じ床面積の部屋であれば、属する階層に関わらず固定資産税額は同額となります。上記の例でいくと、Aさんが1階、Bさんが50階の所有であったとしても、固定資産税額はともに10万円となります。
 今回の制度改正の背景には、タワーマンションの階層による取引価格の差違があります。タワーマンションは、一般的に、階層が上に行くほど眺望や日当たり等の理由から需要が高く、低階層階の部屋に比べて取引価格が上昇する傾向にあります。
 しかし、従来の税制度では、固定資産税の計算において階層ごとの取引価格の差違が考慮されず、結果として、高層階の所有者ほど固定資産税の税額が相対的に低くなるという課題がありました。
 その課題に対して対応するべく、平成30年度から新たに課税されることとなる居住用超高層建築物(高さ60mを超える建築物のうち、複数の階に住戸が所在しているもの)について課される固定資産税及び都市計画税、不動産取得税について、見直しが行われることとなりました。
※平成29年4月1日前に売買契約が締結された住戸を含むものを除く

具体的な計算方法に関しては、次回事例を交えつつお伝え致します。

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