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むくみに気を付けて!‌腎性浮腫と腎性貧血

むくみに気を付けて!‌腎性浮腫と腎性貧血

下肢のむくみは、局所のむくみか全身のむくみかで、原因は異なってきます。全身性のむくみであっても、下肢のむくみから始まることが多いため注意が必要です。
下肢のむくみは様々な原因によって発生します。運動不足や同じ姿勢で1日を過ごすだけでもむくみを生じますし、場合によって貧血、心臓病、腎臓病、肝臓病などの足以外の病気でも起こります。足の病気として下肢静脈瘤や深部静脈血栓症などが原因で発生することもあります。

☆腎臓の働き
腎臓には次のような働きがあります。
①体内の水分量やイオンバランスを調節する
②血圧を調整、コントロールする③老廃物を尿として排出する
特に老廃物の排出は腎臓の大きな働きの1つで、腎臓で血液を濾過し、老廃物や塩分を尿として体外へ排出してくれる、体内の清掃係のような役目をもっています。腎機能が低下すると腎性浮腫を引き起こします。
④エリスロポエチンという造血ホルモンを分泌して血液を作る。腎機能低下で腎性貧血が発症する
⑤骨に関わる活性型ビタミンDを作る
☆腎性浮腫
腎臓の機能が低下すると、体内の水分や塩分の排泄が正常に行われず、体内の水分量のコントロールができなくなって、細胞間の水分が増加しむくみます。むくみは腎臓が出す機能低下のサインです。体内に水分が貯留した状態が腎性浮腫として現れるのです。 
☆腎性貧血
腎臓は赤血球をつくる働きを促進する造血ホルモン=エリスロポエチンを分泌します。腎臓の機能が低下すると腎臓からのエリスロポエチンの分泌量が減り、赤血球をつくることができなくなるため貧血が進行していきます。このような貧血を腎性貧血といいます。
・腎性貧血の症状
疲れやすい、動悸、息切れ、めまい、倦怠感などです。しかし、腎性貧血は徐々に進行していくので、患者さん自身がその症状に慣れてしまい、気づくのが遅くなる場合があります。慢性的な貧血状態では全身が酸素不足になっているため、心臓に負担がかかっている状態でもあります。
・腎性貧血の診断と治療
血色素(ヘモグロビン)の正常値は、成人男性では13・5 g/dL、成人女性では11・5 g/dLになります。これより数値が低い場合、貧血の原因疾患(特に鉄欠乏性貧血など)が認められない時には、腎障害にともなうエリスロポエチンの産生低下が疑われ、初めて腎性貧血と診断されます。
腎性貧血の治療は高度な治療ですので専門医の診察、指導を受けてください。参考までに腎性貧血に対するエリスロポエチン治療を始める場合、どのタイミングで始め、どれ位の量を維持したら良いかといえば、基本的にはHb(ヘモグロビン) 10・0g/dL未満でエリスロポエチン治療を開始し、10~12g/dLの間で維持をめざします。13g/dLを越えないように薬の減量、休薬を行い、なるべく12g/dLを越えないようにコントロールします。心臓と腎臓の合併症を進行させないためにも、腎性貧血は早めに診断して早めに治療することが大切です。

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