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大腸憩室と憩室炎とは

大腸憩室は大腸の壁が外側に突出し袋状になっているもので、憩室炎はその憩室に感染や虚血が起こることで炎症が起きた状態です。大腸憩室は食物繊維の少ない食事によって便の量が少なくなり、これを押し出そうと過剰な腸管運動が起こる結果、腸管内の圧力が高まって発生すると考えられています。

☆大腸憩室炎の発症部位と重症度
大腸憩室炎は起こる部位で、重症度が異なります。
①盲腸や上行結腸など右腹部の憩室炎
多くの症例で腸管安静や抗生剤の投与で改善します。ただ診断にあたり虫垂炎との区別が困難なことがあります。
②S状結腸など腹部左半分に起こる憩室
合併症が起こりやすく、時として重症化し外科手術が必要になることもあります。

☆大腸憩室炎の診断と治療
多くの場合、大腸内視鏡検査、注腸検査、胃バリウム検査後の造影剤遺残など、種々の検査で偶然発見されます。大腸憩室症は放置して特に問題となる病気ではありません。症状がなければ治療は必要ありません。合併症である憩室炎を起こした場合でも、通常は安静、抗生剤投与などの内科的治療で改善します。また、大腸憩室からの出血も、多くは間欠的な出血で7~8割が自然に止血します。もし出血量が多い場合や、出血をくり返す場合には、大腸内視鏡による止血処置を行います。但し、穿孔、腹膜炎、狭窄などを起こした場合や大出血で止血困難な場合は外科的治療が必要となります。

☆大腸憩室炎の再発予防
大腸憩室症があっても、日常生活に特別な制限はありません。ただ、比較的繊維分の多い食事の摂取を心がけるとともに、便秘をしないよう便通のコントロールを行うことが大切です。また、もともと大腸憩室があると分かっている時は、重症化しないための予防策をとります。つまり、お腹が痛くなったら、炎症が軽いうちに食事を止めて水分だけにし、早めに抗生物質を飲むことです。但し、予防のためにも一度は注腸検査もしくは大腸内視鏡検査をしておくほうがいいかもしれません。

☆憩室炎になった時の食事療法は?
⑴たっぷり食物繊維を摂る
たっぷりの食物繊維の摂取は、くぼみ形成の予防に役立つといわれています。食物繊維には水溶性と不溶性のものがありますが、どちらのタイプでも役立ちます。

⑵運動に心がける
その因果関係ははっきりしませんが、運動をすることで腸の動きを活発にしたり、腸内の圧力を減らす働きがあると思われます。

⑶水分もたっぷりとる
食物繊維は水を吸収することで便の量を増やし、軟らかくする働きがあります。食物繊維をせっかく沢山とっても、水分が不足していると逆に便秘になることもあるので注意が必要です。

⑷トイレのタイミングを逃さない
トイレのタイミングを逃してしまうと便の軟らかさが失われ、排便時に余計な圧力がかかる原因となります。大腸憩室の成り立ちや合併症のことを考慮すると、日常生活では食物繊維を必要量摂取したり、適度な運動を行ったりして、便秘をしないように注意することが大事です。

味覚の秋です。読者の皆さん快食、快便を心掛けましょう。

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