最近注目されている「睡眠負債」という言葉があります。毎日の睡眠時間を十分に確保できず、日々の睡眠不足が積み重なると「睡眠負債」となり、命のリスクにつながることが様々な研究で明らかになってきました。睡眠不足が常態化すれば、うっかりミスが増え、仕事の効率が下がるだけでなく、不眠症やうつ病など様々な疾病につながる懸念があります。
☆睡眠は何時間が最適なのか
一般的に6~7時間といわれていますが、これはあくまで平均値です。睡眠は個人差がありますから、3時間で十分な人もいるし、10時間寝ないといけない人もいます。自分の適性睡眠時間を知る目安は、起きてから4時間後に眠気があるかどうかです。起きてから4時間後は人間の脳が最も活性化して、集中力が高くなる時間なので、もしその時間に眠気があるとすれば、睡眠が足りないということになります。
☆「睡眠負債」をためないため、どう対処すればいいか
週末に寝だめするという人もいますが、あまり有効な解決策ではありません。週末に1~2時間の昼寝をしたくらいでは、平日にたまった負債を完済することはできません。生活リズムを崩すだけで、逆効果です。
☆「睡眠負債」の解消に役立つ
具体的な方法
「睡眠負債」は日々の睡眠不足が積み重なり、仕事や生活の質が下がってしまう危ない状態です。気をつけたいとは思いつつも、忙しい毎日で満足のいく睡眠が取れない人も多いはずです。忙しい人でも無理なく「睡眠負債」の解消に役立つ方法をご紹介します。
①「睡眠ホルモン」をコントロールする
体内時計をコントロールしているのは、メラトニンというホルモンです。体内時計に働きかけて「睡眠」をもたらす作用があるため、「睡眠ホルモン」と呼ばれています。メラトニンは脳の松果体から分泌され、メラトニンが増えると眠気を感じ、メラトニンが減ると眠気が軽くなります。また、メラトニンは強い光を浴びると合成・分泌がストップするという性質があります。そのため、朝目覚めたときに太陽の光を浴びることで、メラトニンの分泌が止まり、体内時計の乱れをリセットできます。決まった時間に起きて、規則正しく同じ時間に光を浴びる習慣をつければ、体内時計は毎朝調整され、睡眠のリズムを一定に保つことができるのです。朝起きたら、まずカーテンを開けて太陽の光を浴びましょう。睡眠のリズムを整えるために、朝の太陽の光を浴びることを習慣づけましょう。
②夜の食事では「過食をしない」
「夜遅くに食べない」
夜寝る前にたくさん食べてしまうと、胃や腸の働きが活発になり、どうしても睡眠が浅くなってしまいます。夜の食事は軽くすませる。これがよい睡眠を得るための食べ方だといえます。よりよい睡眠を取るために、夜の食事では「過食をしない」「夜遅くに食べない」の2点を意識しましょう。
③眠る前に「ルーチンワーク」を行う
眠る前に心身をリラックスさせる「ルーチンワーク」を作っておくのも、睡眠に役立ちます。寝る前にやることを決めていると、それをすませることで体が眠りに入りやすくなる傾向があります。たとえば、ストレッチです。ストレッチをしたことで気持ちが落ち着き、「もう寝よう」という気持ちの準備ができてきます。好きな音楽を聴いたり、呼吸を整えたり、リラックスすることであればなんでもいいのです。忙しいなかでも毎日続けられるような手軽なものがベストです。
日頃、睡眠不足気味の方は、一度試してみて下さい。「睡眠負債」をためないで!