消費税の税率は、現状の8%から平成31年(2019年)10月1日以後は10%に引き上げられることになります。
消費税は、請負契約の締結日が施行日前であっても、原則として、建物の完成引渡しや貸付がされた日における税率が適用されるため、引渡し等が施行日以後の場合は、改正後の税率が適用されます。
しかし、請負工事等には、次のような経過措置が設けられます。
1. 平成31年3月31日までの契約に係る経過措置
平成25年10月1日から、消費税率が10%に引き上げられる平成31年10月1日の6ヶ月前の前日の平成31年3月31日までの間に契約が締結され、その契約に基づいて平成31年10月1日以後に課税資産の譲渡等(完成引渡し)が行われる場合には、改正前の税率(8%)が適用されます。
ただし、平成31年4月1日以後に当該契約に係る対価が増額された場合には、増額される前の対価の額に限られます。
2. 消費税等に関する経過措置の取扱いQ&A
平成30年10月に国税庁から消費税の経過措置に関する基本的な考え方が公表されました(『平成31年(2019年)10月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A【基本的な考え方編】』を参照)。
その中の一部を抜粋し、以下で記載致します。
(1) 契約書等のない工事
工事の請負等の税率等に関する経過措置の適用を受けようとする場合、契約書その他の書類を作成しなければならないのですか。
【答】契約書その他の書類を作成しているかどうかは、この経過措置の適用を受ける要件となっていませんが、経過措置の適用があることを明らかにするためには、契約の締結時期や工事内容が経過措置の適用要件を満たすことについて契約書その他の書類により明らかにしておく必要があります。
(2) 工事の請負の着手日
受注した建設工事について、工事の請負等の税率等に関する経過措置の適用を受けようとする場合、当該工事については、平成31年10月1日までに着手しなければならないのでしょうか?
【答】工事の請負等の税率等に関する経過措置は、平成25年10月1日から平成31年3月31日までの間に工事の請負等に係る契約を締結し、平成31年10月1日以後に当該契約に係る目的物の引渡し等が行われる工事の請負等について適用されます。
従って、平成31年3月31日までに工事の請負契約を締結したものであれば、平成31年10月1日までに着手するかどうか、また、その契約に係る対価の全部又は一部を収受しているかどうかにかかわらず、この経過措置が適用されることとなります。