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健康クリニック 村木クリニック院長 医学博士 村木 宏要 先生

手足が冷えて眠れない ― 冷え症


 冷え症の方には、「入浴中でも手足が冷たい」「布団に入っても手足が冷えて眠れない」「よく腹痛や下痢を起こす」などの自覚症状があります。こうした悩みを訴えられる患者様には、日常生活から考えられる冷え症の原因がみられます。

1偏った食生活でのエネルギー不足
 栄養バランスが偏った食事を続けていると、体の基礎となるたんぱく質や脂質、炭水化物と、それらの栄養を熱に変えるビタミン、ミネラルが不足し、冷え症になります。極端なダイエットも要注意です。

2過度なエアコンの影響で自律神経が乱れる
 人の体は、自律神経の働きによって一定の温度に保たれています。しかしエアコンの効かせ過ぎによって室内外の温度差が大きいと、自律神経が乱れ、体温調節がうまくできなくなり、冷え症を引き起こすことがあります。

3女性ホルモン(エストロゲン)の乱れによる手足の血流低下
 女性ホルモンは、女性の心と体をコントロールしています。また、手足の先に行く細い血管を拡げて、血流を多くする作用もあります。そのためストレスや更年期などに女性ホルモンの分泌が乱れると、血行の悪化や卵巣の機能低下を招き、冷えをはじめ、生理痛や生理不順などのトラブルが起きやすくなります。

☆冷え症が女性に多い理由
 冷え症が女性に多い理由の一つには、女性の方が冷え症を招く生活習慣に当てはまりやすいことがあります。例えば、ファッションを重視するあまり、過度の薄着をする人がいます。極端なダイエットのため、朝食を抜くなど、十分な食事を摂っていない人もいます。また、女性は一般に男性より筋肉の量が少なく、体内でつくられる熱が少ないのも、冷え症が女性に多い理由の一つです。さらに、月経・出産・閉経などに伴って、ホルモンのバランスが崩れやすく、自律神経の乱れを生じることがあります。

☆日常生活でできる冷え症にならない予防法
1入浴で血行を良くする
 38〜40℃のぬるめのお湯に、20分程度つかりましょう。入浴後は簡単なストレッチをすると、さらに効果的です。湯船につかれない時は、シャワーだけですませず足湯で下半身をしっかり温めましょう。お風呂から上がったら保温性の高いインナーや冷え症対策用の靴下などで熱を逃がさないようにしましょう。

2朝食をしっかりと食べる
 朝食を食べないと、体温調節に必要なエネルギーをつくり出すことが困難になります。ビタミン、ミネラルが豊富な肉類や、いわし、卵、納豆、魚、チーズ、玄米やパン、その他わかめや豆腐、大根の入った汁物などのエネルギーを生み出しやすい献立で、一日を始めましょう。

3運動で血行を良くする
 体中の筋肉を働かす全身運動が一番ですが、時間がないことも多いはず。そんな時はどこでも簡単にできて、血行を良くする足裏のツボを刺激する運動がおすすめです。足を軽く開いて立ち、両足一緒にかかとを上げ下げする背伸び運動を行いましょう。座り仕事が多い場合は、仕事中に足元に小さいボールや空き缶などを置いて、足の裏で転がすと、足裏のツボが刺激され、全身の血行が良くなります。

☆冷え症状に対処する方法
1冷えの状態を長く続けない
 冷えの状態が長く続くと、体に不調があらわれやすくなります。一日の最後に、ショウガ入りの飲み物で体を温めた後、ぬるめのお風呂にゆったりとつかりましょう。岩塩や保温効果のある入浴剤を入れるとより効果的です。

2内服薬
 冷え症には、女性ホルモンや自律神経の働きを整えて、血行を良くするビタミンE配合のビタミン剤が有効です。更年期による冷えを感じるときは、心と体の両面から症状を緩和してくれる漢方薬などを服用するのも一つの方法です。

3医師の診察を受ける
 冷え症がつらく日常生活に支障がでるような時や、生理痛、生理不順などの症状がある場合は、他の疾患が隠れている場合があります。医師の診察を受けましょう。