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税務相談 税理士 吉田 博一 先生

平成31年度税制改正大綱についてB


 平成30年12月14日に公表されました平成31年度税制改正大綱について、今回は民法の改正に伴い、税務上の取扱いについて変更されることとなった内容についてお話しします。

1.民法における成年年齢引下げに伴う
 年齢要件の見直し
 民法の改正に伴い、税務上の取扱いについても所要の措置が講じられています。
 成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたことに伴って、「20歳以上」又は「20歳未満」と適用年齢の要件が定められている制度についても見直されることとなります。
@ 年齢要件が18歳未満に引き下げられる制度
 イ 相続税の未成年者控除の対象となる相続人
 ロ ジュニアNISA … 未成年者口座の開設等をすることができる居住者等

A 年齢要件が18歳以上に引き下げられる制度
 イ 相続時精算課税制度の適用対象となる受贈者
 ロ 直系尊属から贈与を受けた場合の贈与税の税率の特例
 ハ 非上場株式等に係る贈与税の納税猶予制度
 ニ NISA … 非課税口座を開設することができる居住者等

【適用時期】
@イ、Aイロハについては、令和4年(2022年)4月1日以後に相続・遺贈又は贈与により取得する財産に係る相続税又は贈与税について適用されます。
@ロ、Aニについては令和5年(2023年)1月1日以後に設けられる未成年者口座及び非課税口座について適用されます。

2.特別寄与料の請求権の創設
(1)制度概要
 令和元年7月1日より「特別寄与料」を請求できる規定が施行されています。今までも相続人間の公平を図るため、寄与分として請求することは出来ましたが、相続人にのみ認められていた権利でした。
 上記具体例でいうと、子Bの配偶者Eが、被相続人Aの療養看護に努め、被相続人の財産の維持又は増加に寄与した場合であっても、相続人でないEが寄与分を主張したり、あるいは何らかの財産の分配を請求することは出来ませんでした。感謝の気持ちで子Cや子DがEに対して何らかの経済的利益を与えた場合には、原則として贈与課税の対象となります。
 今回の改正で一定要件の下で被相続人の相続人でない親族(=特別寄与者)でも金銭の支払い(=特別寄与料)を請求できることとなりました。



(2)税務上の取扱い
@特別寄与者
特別寄与料の額が確定した場合に、特別寄与料相当額を被相続人から遺贈により取得したものとみなして相続税の課税対象となります。尚、遺贈とみなす為、相続税の2割加算の対象となります。特別寄与料の額が確定したことにより、新たに相続税の納税義務が生じた特別寄与者は、その事由が生じた事を知った日から10ヶ月以内に相続税の申告書を提出しなければなりません。

A特別寄与料を支払う相続人
 支払うべき特別寄与料の額を各相続人の課税価格から控除されます。
 相続税の申告期限までに特別寄与料の額が確定していない場合には、その確定後4ヶ月以内に限り更正の請求をすることができます。