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税務相談 税理士 吉田 博一 先生

2019年度税制改正大綱についてA


 平成30年12月14日に公表されました平成31年度税制改正大綱について、前回は個人の所得税関係の改正内容についてお話ししました。今回は資産税関係の改正についてお話しします。

1.特定事業用宅地等に係る小規模宅地等の特例の見直し
 現行の「事業用の小規模宅地等の特例」について、平成30年度の改正点である「貸付事業用の小規模宅地等の特例」にならい、節税を目的とした駆け込み的な適用など本来の制度の趣旨を逸脱した適用が散見されていることから、相続開始前3年以内に事業の用に供された宅地等(その宅地等の上で事業の用に供されている減価償却資産の価額が、その宅地等の相続時の価額の15%以上である場合を除きます)が除外されます。
※この改正は平成31年4月1日以後に相続等により取得する財産に係る相続税について適用されます。ただし、同日前から事業の用に供されている宅地等については適用されません。(つまり特例を受けることが可能です)

2.教育資金、結婚・子育て資金の一括贈与非課税措置の見直し
 教育資金、結婚・子育て資金の一括贈与の贈与税の非課税措置は、祖父母や両親の資産を早期に若年世代に移転させ経済を活性化させることを目的に導入されましたが、両措置とも導入当初と比べて新規契約数が大幅に減少しているのが現状です。また、「格差の固定化や機会の平等の確保に留意した見直しが必要」という指摘があったことから所要の見直しを行った上で適用期限を2年間延長することとされ平成33年(令和3年)3月31日までとなります。

(1)受贈者の所得制限
 信託等をする年の前年の合計所得金額が1,000万円を超える受贈者は非課税措置の適用を受けることが出来ないこととされました。
※平成31年4月1日以後に信託等により取得する信託受益権等に係る贈与税について適用されます。

(2)教育資金の範囲の見直し
 教育資金の範囲から、学校等以外の者に支払われる金銭で受贈者が23歳に達した日の翌日以後に支払われるもののうち、教育に関する役務提供の対価、スポーツ・文化芸術に関する活動等に係る指導の対価、これらに係る物品の購入費・施設の利用料が除外されます。(ただし、教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講するための費用は除外されません)
※令和元年7月1日以後に支払われる教育資金について適用されます。
 具体的には、これまで制度上非課税とされていた23歳から30歳未満の子や孫の趣味の習い事等の費用が除外されることとなりました。

(3)死亡前3年以内に非課税措置の適用を受けた場合の取扱い
 教育資金管理契約終了の日までの間に贈与者が死亡した場合において、受贈者がその贈与者から死亡前3年以内に取得した信託受益権等について非課税措置の適用を受けたことがあるときは、次に該当する場合を除き、その死亡の日における管理残額を受贈者が贈与者から相続又は遺贈により取得したものとみなして、相続税の課税対象となります。
 @受贈者が23歳未満である場合
 A受贈者が学校等に在学している場合
 B受贈者が教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している場合
※平成31年4月1日以後に贈与者が死亡した場合について適用されます。

(4)教育資金管理契約の終了事由の見直し
 受贈者が30歳に達した場合においても、右記(3)A又はBのいずれかに該当する場合には、次のいずれか早い日に教育資金管理契約が終了するものとされます。
 @その年において右記(3)A又はBのいずれかに該当する期間がなかった場合におけるその年の12月31日
 A受贈者が40歳に達する日
 ※令和元年7月1日以後に受贈者が30歳に達する場合について適用されます。

 今回は所得税の改正内容についてお話ししました。次回は民法の改正に伴い、税務上の取扱いについて変更されることとなった内容についてお話し致します。