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健康クリニック 村木クリニック院長 医学博士 村木 宏要 先生

生活習慣病予防のための特定健診と特定保健指導とは?


近年増加し続ける生活習慣病の予防対策として、医療保険者(健康保険組合または市町村)には特定健診(特定健康診査)、特定保健指導の実施が義務付けられています。特定健診は生活習慣病予防のための保健指導を必要とする人を選び出すための健診です。
 対象は40歳以上75歳未満の保険加入者で、被保険者だけでなくその被扶養者も対象となります。特定健診の結果、メタボリック症候群の該当者及び予備群と判定された人に医師、保健師等による健康指導を行います。これが特定保健指導です。

☆特定健診・特定保健指導実施の流れ
・会社勤務の被保険者は、会社で実施する定期健康診断(事業者健診)の中で特定健診を実施し、健診結果に基づき特定保健指導を行います。(国民健康保険被保険者は市町村による実施)
・被扶養者の方は、医療保険者から送付される「特定健診受診券」を利用して、特定健診を実施します。また健診結果により医療保険者から特定保健指導の案内をします。

☆特定健診の実施を巡る問題指摘もあります
 医療保険者(健康保険組合または市町村)には、この健診の実施が義務化されており、受診率、保健指導実施率、目標到達度が基準を下回った場合、国からの補助金が減額されたり、会社や自治体が連帯責任を取らされるペナルティがあります。このため医療保険者がペナルティを回避するために
(1)基準をわずかに上回る人への保健指導が優先され、大幅に上回る人が放置される恐れがある。
(2)肥満者がいることで会社の社会保障コストが増えるため、雇用されにくくなったり、職場で冷遇される恐れがある。
(3)初年度は多くの肥満者を受診させ、年度を追う毎に受診者の肥満率を減らし続けることにより、目標到達度をコントロールすることもできる。
と言うような問題指摘もあります。

☆よくあるQ&A
(1)健診を受けるのに費用は必要か?
 費用は主に医療保険者(健康保険組合または市町村)が負担しますが、医療保険者によっては費用の一部を被保険者個人の自己負担としていることもあり、受診時に実施機関の窓口で支払う必要があります。自己負担の有無、金額あるいは自己負担率は、医療保険者で異なります。
(2)特定健診・保健指導を受けた後はどうなる?
 特定健診を受けた約1〜2ヵ月後に、ご本人に健診結果とそれに合った生活習慣の改善に関する情報が、実施機関から届きます。なお、健診結果データは医療保険者にも送付されます。医療保険者では、受けとった健診結果データから、特定保健指導の対象者を抽出し利用券などを案内することになります。
(3)特定健診・特定保健指導は受けなければならないでしょうか?
 特定健診・特定保健指導は、加入者ご本人に受診・利用が義務付けられたものではありません。
(4)メタボリック症候群の基準に該当したり、特定保健指導の対象になった人は保険料が上がりますか?
 メタボリック症候群の基準に該当したり、特定保健指導の対象になったことが理由でご自身の保険料が上がることはありません。

 今回は、健康維持の参考として、生活習慣病の予防と改善にかかわる健康保険制度について述べました。