阪神グリーンクラブ・ニュース 204

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法律相談 弁護士 原田 弘 先生

民法の一部改正、いつからどんな改正…


Q.質問

 民法が改正されたと聞きましたが、どうなるのでしょうか?

 

A.回答

  今回から、法律相談を担当させていただきます。よろしくお願いいたします。  民法のうち、債権法の規定が2017年に、相続法の規定が2018年に改正されました。施行は一部例外を除き、債権法は2020年4月1日、相続法は2019年7月1日からです。
 債権法の改正は多岐にわたりますが、多数の判例や解釈が実務に定着したものを明文化したものも多く、このような改正については、実務に大きな変化はありません。他方、社会の大きな変化に対応するべく実質的な改正がされたものもあり、@消滅時効に関する見直し、A法定利率に関する見直し、B保証に関する見直し、C債権譲渡に関する見直し、D定型約款に関する規定の新設、の5点がこれにあたります。こちらについては実務が変わってきます。

 相続法の改正は、@配偶者の居住権保護のための方策、A遺産分割等に関する見直し、B遺言制度に関する見直し、C遺留分制度の見直し、D相続の効力等に関する見直し、E相続人以外の者の貢献を考慮する方策、が主なものです。こちらも多岐にわたります。また、遺言制度の見直しのうち、自筆証書遺言の方式緩和については、2019年1月13日から他の改正に先立って施行予定です。他方、配偶者の居住権の保護については、他の改正相続法よりも遅れ2020年4月1日からの施行予定です。

 今回も含め、順に民法一部改正についてお話ししていきますが、今回は、これをお読みいただいているときに、もう施行されているかもしれない自筆証書遺言の方式緩和についてお話ししましょう。

 遺言書のうち、自筆証書遺言は、遺言者が遺言の全文、日付、氏名を自書し、押印することが必要です。この原則は、改正法でも同じですが、改正法では、自筆証書遺言と一体のものとして相続財産の全部または一部の目録を添付する場合には、この目録については自書を要さないとしました(新968条)。但し、自書でない目録の各頁への署名捺印は必要です。この改正により、相続財産の目録はパソコン等で作成して遺言書に添付することが可能になりました。今まで目録の自書に大変な手間がかかることもありましたが、この改正で、自筆証書遺言が随分作成しやすくなります。