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税務相談 税理士 吉田 博一 先生

二世帯住宅の敷地に係る小規模宅地等の特例


前回・前々回と2回にわたり、平成30年度税制改正の相続税の改正項目である小規模宅地等の特例の改正についてお話ししました。平成30年度税制改正の内容ではありませんが、今回は前回同様、小規模宅地等の特例について、その中でも二世帯住宅の敷地に係る小規模宅地等の特例についてお話しします。

(1)改正前の二世帯住宅の敷地に係る
小規模宅地等の特例について
二世帯住宅の敷地に係る小規模宅地等の特例とは、被相続人の居住の用に供されていた宅地等を相続又は遺贈により取得した被相続人の親族が、原則として相続開始時にその宅地等の上に存する被相続人の居住用家屋に同居していた者であって、相続税の申告期限まで引き続きその宅地等を有し、かつ、その家屋に居住している場合には、その宅地等は特定居住用宅地等に該当し、相続税の課税価額の計算上、その宅地のうち330u(平成26年度中の二世帯住宅の敷地については240u)までの評価額の80%相当額が減額できるというものです。
土地の評価額が高く、住宅事情の厳しい都市部では親の土地の上に二世帯住宅を建築し、1階は親世帯が、2階は子世帯が住むといったケースをよく聞きます。最近の二世帯住宅は、親子間といえども互いのプライバシー尊重の為、一棟の家屋でも親子の居住スペースを独立させ建物内部での行き来が出来ないタイプの二世帯住宅も増えています。
こういった二世帯住宅は果たして、小規模宅地等の特例の対象になるのでしょうか。

平成25年度税制改正前の取扱では、各世帯の居住スペースが区分され、構造上内部で行き来することが不可能な二世帯住宅(※イメージ図参照)の場合、それぞれの区分ごとに独立した家屋と考えられることから、その住宅に居住する二世帯は、同居していないものとされていました。
ゆえに被相続人の居住スペース以外の部分(子の居住スペース)に対応する宅地等については、原則として被相続人の居住の用に供していた宅地等に該当しないものとされ、特定居住用宅地等に係る小規模宅地等の特例の適用が認められませんでした。

(2)改正後の二世帯住宅の敷地に
係る小規模宅地等の特例について
平成25年度税制改正により、特定居住用宅地等の前提となる『被相続人の居住の用に供されていた宅地等』の範囲について、被相続人とその親族(今回のケースでは子)が一棟の建物の中で居住していた時は、その建物の構造にかかわらず、その親族が居住の用に供していた部分の敷地に対応する部分も、被相続人の居住の用に供していた宅地等に含まれることになりました。
つまり改正前は家屋の内部で行き来できないことにより小規模宅地等の特例が利用することができなかったものが、内部での行き来如何にかかわらず利用できることとなったのです。

(3)適用時期と留意点について
この改正は平成26年1月1日以後の相続又は遺贈により取得した特定居住用宅地等から適用となっております。最も注意しなければならないのは、二世帯住宅が構造上区分された住居であっても、区分所有建物登記がされている建物については、建物の敷地のうち被相続人が居住の用に供していた部分に対応する敷地のみが被相続人の居住用の宅地とされることになるという点です。