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法律相談 弁護士 原田 弘 先生

更新料の請求契約書中に定めておけば…


Q.質問

 私はアパートの一室をAさんに貸しています。この度、更新の時期を迎え、賃料の1ヶ月分相当の更新料を条件に更新が可能である旨Aさんに申入れました。  Aさんは更新料の支払いに同意せず居住を続けています。
どうすれば更新料を支払ってもらえるでしょうか。

 

A.回答

 貴方の言われる更新料ですが、これは民法にも借地借家法にも全く規定がありません。それでは更新料とは何かということが問題となります。更新料は借家契約の当事者間において更新料支払いの特約が締結されたことで支払われるものです。そして、その趣旨は、最近の最高裁の判決(平成23.7.15)によると、「・・更新料は一般に、賃料の補充ないし前払い、賃貸借契約を継続するための対価等の趣旨を含む複合的な性質を有するものと解するのが相当である。」としています。

 そして、従来地方裁判所等で、更新料の定めが消費者契約法10条の定めに反して無効であるとするものがかなりありました。これに対しても前記最高裁は「・・賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料条項は、更新料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り、消費者契約法10条にいう『民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの』には当たらないと解するのが相当である。」とし、本件では更新料の額を賃料の2ヶ月分とし、賃貸借契約が更新される期間を1年間とするものであって、上記特段の事情が存するとはいえず、これを消費者契約法10条により無効とすることはできない。として、京都地方裁判所平成21.9.25判決、これを受けた大阪高等裁判所の判決を覆した判決です。

 こうしてみると、更新料については、賃料の額、賃貸借契約が更新される期間に照らして高額に過ぎるというようなことがない限り更新料の定めは有効であると認めているようです。
 そこで貴方のご質問ですが、Aさんとの間の賃貸借契約書で明確に更新の時期が来たら1ヶ分の月額賃料相当額の更新料の授受をする旨の特約が明記されている場合は更新料の請求は可能です。しかし、契約に際して口頭での単なる説明に過ぎないような場合は請求は無理であろうと考えます。