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健康クリニック 村木クリニック院長 医学博士 村木 宏要 先生

本当に危険なのは、LDL(悪玉コレステロール)ではなく、酸化LDL!


 最近の冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞)に関して気になる報告があります。LDLコレステロール値が高いだけでは、動脈硬化は起こらず、LDLコレステロールが、活性酸素などにより酸化されてできる酸化LDLが問題という報告です。
 総コレステロールやトリグリセリド(中性脂肪)の量は、冠動脈疾患患者と健康成人とで有意差がないにもかかわらず、冠動脈疾患患者では、酸化LDLの量は、健康成人に比べて、2倍近くもありました。

☆酸化LDLが動脈硬化を進める
 劣化したコレステロール(放置され表面が黄色くなったバターやマヨネーズ)は、体内に取り込まれると通常のコレステロールではなく、酸化LDLになります。酸化LDLはLDL(悪玉コレステロール)がさらに悪玉になったもので、血管の内皮下に容易に進入し、マクロファージによって貪食され、最終的に血管の中にコレステロールたっぷりの軟らかいプラーク(粥腫)を作り上げます。このプラークが破綻することで一気に血管が詰まり、心筋梗塞や脳梗塞になる、という仕組みです。つまり、劣化したコレステロールを多く摂取すると、その結果全身の動脈にプラークができやすくなり、結果的に心筋梗塞や脳梗塞が発症しやすくなります。

☆LDLの酸化と抗酸化のバランスが大切
 LDLコレステロールは、活性酸素の攻撃を受けると酸化LDLに変化します。酸化LDLは血管の内皮下にプラークを作り上げ動脈硬化を促進すると同時に、血管を直接攻撃し、健康な血管が本来もつ血管拡張作用を障害することが知られています。
一方、体内では活性酸素などの攻撃からLDLを防御する働きをもった物質も存在します。もともと体内に存在する酵素や、食事などで取りこむビタミンEやC,赤ワインブームのきっかけとなったポリフェノール類が体内で「抗酸化物質」として働くのです。活性酸素などの「酸化の攻撃因子」と、ビタミンなどの「防御因子」のバランスが保たれていれば、LDLの酸化は起こりません。
しかし、なんらかの原因で「酸化されやすい環境」になると、活性酸素が多くなり、抗酸化物質が多く消費されるといった状態に陥り、酸化LDLが作られやすくなってしまうのです。喫煙者、糖尿病患者、高血圧患者、また閉経後の女性等でLDLが酸化されやすく、これらの人々で動脈硬化が起こりやすい理由のひとつといわれています。
その他、HDL(善玉コレステロール)値の低下(40未満)と中性脂肪値の上昇(150以上)が重なるときにも、酸化LDLを生み出しやすくなります。(中性脂肪値/HDL値=2以上だと要注意)

☆気を付けて、便利さの中に潜む酸化LDL
 では、具体的にどういった調理品に酸化コレステロールは多く含まれるのでしょう。「酸化」はいわば「さび」ですから、ものが古くなるほど、そして加工されればされるほど起こります。肉・バター・油の加熱処理で多く産生されるのが酸化コレステロールです。現代の食生活は昔に比べて格段に便利になっていますが、その便利さの中に罠が潜んでいるようです。
なんでもかんでも「チン」すれば暖かく食べることができる。でも、この「チン」に頼りすぎると、酸化コレステロールを多く摂取することになります。例えば、買ってきたコンビニのフライ弁当が冷めてしまっていて、それを何回か「チン」して再加熱をすると酸化コレステロールが多量にできてしまいます。
ファストフードの食品を再加熱するのも危険です。するめやビーフジャーキー、レトルト食品、これらも危険となりうる食品群です。また、インスタントラーメンの麺や焦げた焼き鳥の皮、さらには、てんぷらを揚げるのに油が古ければ沢山できてしまいます。

 こうした酸化LDLの多い食品にしないためには、日頃の調理方法をちょっと変え、うまく付き合っていくとよいでしょう。
・何度も再加熱しなくてすむように食品は小分けにして加熱する。
・食品と一緒に抗酸化物質をできるだけ多く摂取する。例えば、ビタミンCやβカロチンを含む緑黄色野菜を多く摂る。
・その他