阪神グリーンクラブ・ニュース 186

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法律相談 弁護士 原田 弘 先生

だまされて保証人に 保証契約の成立とその範囲は…


Q.質問

 私Aは、友人BがCから50万円借りるので保証人となってくれと頼まれ、借用書に署名捺印しました。借用金額は未記入でしたが、後で記入するとのBの言葉を信じて疑いませんでした。ところがBは金額を150万円と記載しCから借用しました。
 私の保証人としての責任はどうなるのでしょうか。
 また、妻が無断で夫を保証人とした場合はどうでしょうか。

 

A.回答

 まず、貴方がBの保証人となり保証契約を締結するのはCとの間です。ところで貴方はBが持参した契約書の保証人欄に署名押印してBに渡しました。この行為が、貴方がBにCとの間の保証契約を締結する代理権を与えたことになるでしょうか。貴方はBに代理権を与えたことはないとしても、この点に関し、民法は表見代理という制度を設けました。それは、貴方が契約書に署名押印してBに渡した行為が外見上Cとの間で保証契約をするについて代理権を与えたと見られるような場合には代理行為が認められ貴方は保証人となります。

 次に、Bから50万円の借入について、保証人となることを依頼され、貴方もそのつもりで契約書に署名捺印したところ、150万円の保証人にされてしまった湯合、保証金額に錯誤があることになりますが、金額の錯誤は裁判例では要素の錯誤であり無効であるというのが基本的な考えのようです。しかし、民法では、錯誤があっても表意者に重大な過失があるような場合、錯誤無効を主張できないことになります。貴方のばあい、金額欄白紙の状態のまま署名押印してBに交付した訳ですから、重大な過失があると認められるでしょう。そうなると、貴方はCのBに対する貸金について保証責任を負担しなければならなくなります。このような場合、裁判例では、150万円の保証人となってくれと頼まれて、保証限度額のない約定書に保証人として署名押印して渡したところ、800万円の根保証が設定された事案で、保証額に要素の錯誤があるとしたものの、150万円の限度では錯誤はないとして150万円について保証責任を認めたものや、要素の錯誤だが、保証人に重大な過失ありとして、錯誤の主張を認めないものがあります。

 次に、妻が夫に無断で保証したような場合ですが、無断で知らない聞に保証人とされたような場合は保証責任は生じません。また夫婦間の日常家事の連帯債務とは云えない事案ですから、このような場合は貴方に責任は生じません。