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健康クリニック 村木クリニック院長 医学博士 村木 宏要 先生

風疹大流行、毎週300人超ペースで増加中


風疹の流行が止まらない。国立感染症研究所は今年2月後半から毎週300人を超えるペースで増え続け、患者数は昨年同時期に比べ25倍にも達していると発表しています。患者の多くは子供のころに予防接種を受けなかった20〜40歳代の男性が多く、今後も増え続ける恐れがあります。風疹は発熱や発疹などの症状が出るウイルス性感染症で重症化や合併症の危険は低いですが、先天性風疹症候群(注1)になる可能性があります。

(注1)先天性風疹症候群
妊婦、特に妊娠初期の女性が風疹にかかると、胎児が風疹ウイルスに感染し、難聴、心疾患、白内障、そして精神や身体の発達の遅れ等の障害をもった赤ちゃんが生まれる可能性があります。これらの障害を先天性風疹症候群といいます。

☆風疹ワクチン予防接種の歴史
@風疹ワクチンの定期予防接種は、昭和52年度から開始されましたが、当時は、先天性風疹症候群の発生を防ぐことを目的とし、中学生の女子のみを対象に予防接種が行われたため、現在30歳代後半以上となる男性は定期予防接種の機会がありませんでした。
A平成7年からは生後12ヵ月から90ヵ月未満の年齢の男女小児および中学生男女になりましたが接種率は低く、これらのことから風疹患者は20歳代から40歳代の男性、20歳代の女性の割合が高くなっていると考えられています。

☆現在(平成25年4月以降)の定期予防
 接種スケジュールについて
 麻疹とともに2回接種制度が導入され、1歳児(第1期)と小学校入学前1年間の幼児(第2期)に原則として、麻疹風疹混合(MR)ワクチンが接種されるようになりました。

☆妊娠と風疹に関するQ&A
1現在、妊娠が分かったばかりの妊婦ですが、これまで風疹の予防接種を受けたことがありません。家族に風疹の予防接種を受けてもらうべきでしょうか?
 妊婦の家族内に、「ワクチン接種の記録」または「風疹の確実な罹患歴(症状のみからの診断ではなく、抗体検査などによって確認されたもの)」がない方がいる場合には、その方から妊婦に風疹をうつしてしまう可能性があります。これを防ぐために、家族の方は出来るだけ早く接種を受けることが勧められます。
(なお、妊婦が風疹の予防接種を受けることはできません。)

2現在妊娠初期です。自分の風疹予防接種の接種記録があります。妊娠中に風疹にかかる可能性は?
 予防接種を受けた記録があるので免疫をもっている可能性が高く(風疹ワクチンの効果は95・99%)、現在風疹にかかる可能性は極めて少ないと考えられます。しかし、風疹患者と密接な接触をすると、感染する可能性が完全には否定できません。念のために、妊娠初期に行なわれる風疹抗体価検査の結果をもとに、かかりつけの産婦人科医に相談してください。

3妊娠初期の検査で風疹抗体価が十分高くないという結果でした。妊娠中どのような注意をしたらよいでしょうか?
 妊娠中とくに妊娠初期は、風疹にかかっている可能性のある人との接触は可能な限り避けてください。家族の中にワクチン接種記録、または風疹の確実な罹患歴(抗体検査などによって確認されたもの)のない方がいる場合、その方は至急風疹ワクチンの接種を受けるようにしてください。

4不妊治療も含め妊娠を希望される場合、予防接種はどうすればいいでしょうか?
 不妊治療をされているご夫婦って最近多いですが、不妊治療を始める前にちゃんと風疹の抗体検査を行い、抗体がないならば予防接種をすべきです。苦労してせっかく子供を授かったあとに妊婦検査で風疹の抗体がないと分かり不安になることがありえます。ただし、接種後2ヵ月は避妊する必要があります。

 最後に風疹は定期予防接種の対象となっている病気ですが、風疹にかかったことがなく、これまで予防接種を受けていない場合は、かかりつけ医等へのご相談をお勧めします。