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税務相談 税理士 吉田 博一 先生

居住用財産の買換えの特例


前回は居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除について説明しました。
 今回は居住用財産の課税の繰延べについて説明します。
 居住用財産を譲渡することにより譲渡益が生じた場合は一定の要件を満たすことにより、3000万円の特別控除あるいは特定の居住用財産の買換え特例を選択できます。
 次の条件を満たす居住用財産の買換えについては居住用財産の譲渡所得の課税が繰延べられます。

〈譲渡資産の要件〉
1所有期間が10年を超える国内にある居住用財産であること。
A本人の居住期間が10年以上であること。
B平成23年12月31日(※)までの譲渡であること。
C売却代金が2億円以下であること
(※)平成23年12月8日時点(期間が延長されることもあります。)

〈買換え資産の要件〉
1譲渡年又は前年に取得した居住用財産に譲渡年の翌年末までに住むこと。
A譲渡年の翌年中に取得した居住用財産に取得年の翌年末までに住むこと。
B取得した家屋の床面積は、50u以上280u以下であり、土地の面積は500u以下であること。
C耐火建築用の中古住宅である場合は、建築年数が25年以内であること。(平成17年4月1日以後に取得する耐火建築物で、一定の耐震基準を満たすものについては、築経過年数の要件なし。)
〈具体例を交えて説明します〉



(例)1000万円で購入したマイホームを5000万円で売却し、7000万円のマイホームに買い換えた場合には、通常の場合、4000万円の譲渡益が課税対象となりますが、特例の適用を受けた場合、売却した年分で譲渡益への課税は行われず、買い換えたマイホームを将来譲渡したときまで譲渡益に対する課税が繰り延べられます。
 この場合、課税が将来に繰り延べられるとは、上記の例により説明すれば、買い換えたマイホームを例えば将来8000万円で売却した場合に、売却価額8000万円と購入価額7000万円との差額である1000万円の譲渡益(実際の譲渡益)に対して課税されるのではなく、実際の譲渡益1000万円に特例の適用を受けて課税が繰り延べられていた4000万円の譲渡益(課税繰延べ益)を加えた5000万円が、譲渡益として課税されるということです。

 居住用財産の課税の繰延べ特例は前回解説した居住用財産の特別控除と同じく、配偶者・直系血族や生計を一にする親族等に譲渡した場合等は適用除外となります。他の居住用財産の特例規定と併用することはできません。

 前回と今回にわたり、居住用財産を譲渡して譲渡益が出た場合の課税の特例について説明をしました。次回は居住用財産を譲渡した場合に譲渡損が出た場合の課税の特例について説明したいと思います。