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健康クリニック 村木クリニック院長 医学博士 村木 宏要 先生

糖尿病の食後血糖の上昇を抑える-血糖値の上昇を緩やかにする食事の摂り方-


新しい糖尿病薬が次々発売され、それぞれ治療効果を挙げています。しかし、糖尿病は、患者さん本人が主治医であると言われるほど、日常の自己管理が重要です。今回は、糖尿病治療の基本である食後血糖の上昇が、緩やかに経過するような食べ方を再確認してみましょう。

☆食事の最初に 野菜(食物繊維) を食べると血糖値の上昇が緩やかになり、インスリンの無駄使いが少なくなり有効です!
・食事の初めは野菜(食物繊維)から摂るのが良いようです。
食物繊維は、血糖値を上げるブドウ糖の吸収を穏やかにする為、食後の急激な血糖値の上昇を防いでくれます。生でも、生でなくても又野菜の種類はこだわることはありません。好きなだけ食べます。良く噛みながら、時間をかけて食べます。満腹感の調節は食べる野菜の量でやります。

・野菜を食べたら、みそ汁やスープ類を食べます。
野菜・根菜・海藻など、具だくさんの調理にして、汁と一緒にゆっくり、よく噛みながら食べます。

・次に、タンパク質を食べます。
肉や魚、豆腐、豆類などです。ここまでに15から20分以上の時間をかけるようにしましょう。時間をかけて、よく噛みながら食べることで結構お腹が膨らんできます。

・最後に、ご飯です。
少なめに口に入れ、一口30回以上よく噛んで食べます。よく噛むことによって、食物が身体に入っていく時間をゆっくりにしてくれるので、早食いでインスリンが間に合わずに血糖値を上げてしまうことを防げます。
血糖値を上げない工夫として食後1時間以内に軽い運動や入浴もおすすめです。糖分の消費で、血糖値の上昇が押さえられます。


スポーツ飲料やジュース類には果糖の他、コーンシロップが使われていることが多く、これは吸収が早くて血糖値を急激に上昇させます。口に含み甘みを感じたら止めたほうが無難です。加工食品や甘いものを控える生活を続けると、味覚が不自然な味に敏感になり、薄味にも慣れていきます。

☆朝食を摂ると過度にインスリン値を上げない!
・一日の元気なスタートには朝食が欠かせません。
朝食は、健康を守るうえでとても大事な役割をします。朝、目覚めたときには、私たちの体は断食状態にあり、体温は低くエネルギーが不足しています。頭がぼーっとしているのは、ブドウ糖が不足しているからです。朝食を食べると体全体の代謝が上がり、ブドウ糖の補給によって頭もスッキリします。

・朝食が適度なインスリン分泌を保ちます。
朝食を抜くと、昼食が起床後の初めての食事になります。朝食を食べる場合よりも“断食時間”が長くなるので、より多くのエネルギーを吸収しようと血糖値は急上昇し、その分だけ多くのインスリンが分泌されます。こうした習慣が長く続くと、インスリンを分泌するすい臓に過度な負担がかかり、分泌能力が衰えてしまいます。朝食を欠かさずに摂ることは、過度なすい臓への負担を減らすことにもつながるのです。また、朝食で血糖値の上昇を抑えると、昼食後、夕食後の血糖値も上がりにくくなることがわかっています。毎日の朝食の習慣を、あらためて見直してみてはいかがでしょうか。

☆夜おそくの食事は肥満の元です。
糖尿病と肥満は強い因果関係があり、肥満の治療が糖尿病の治療につながります。夜の食事は寝る3時間前までに済ませることが、肥満予防には重要だと言われています。肥満を作る脂肪細胞の蓄積には、“BMAL1”という細胞が大きくかかわっています。 このBMAL1細胞、実はPM10時〜AM2時までの間には日中の20倍もの量に増えています。ですから、就寝時間がおそいからと言って、食べるのがおそければ肥満に大きく影響します。食べ物が消化・吸収されるまでの時間を考えると、PM9時までには食事を摂り終えることが、肥満を防ぐポイントとなります。

食事面を工夫して少しずつ薬を減らし、健康になりたいものです。