阪神グリーンクラブ・ニュース 143

法律相談税務相談健康クリニックTOPへ


税務相談 税理士 吉田 博一 先生

農地等の贈与税の納税猶予制度


農地等を贈与した場合、農地の細分化の防止や後継者育成などの見地から、一定の要件を満たした場合には、農地等について発生した贈与税の納税が猶予される「贈与税の納税猶予制度」が設けられています。
 今回はその納税猶予の申告手続きと、猶予した贈与税が免除される場合、及び猶予が打ち切りになる場合の3点について解説します。


【納税猶予制度の申告手続き】
 農地等の贈与税の納税猶予制度の適用を受けるためには、受贈者が贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までに、所轄の税務署長に期限内申告書と所定の添付書類を提出する必要があります。更に手続きとして以下の2点に注意しなければなりません。


《注意点》
1、納税猶予に係る贈与税相当額の担保を提供すること。
2、所轄の税務署に3年ごとに「納税猶予継続届出書」を提出すること。


  【納税猶予制度の免除】
 納税猶予を受けた贈与税が免除されるケースは「贈与者が死亡した場合」と「受贈者が贈与者より先に死亡した場合」の二つに限定されます。


《注意点》
 農地等の相続税の納税猶予制度では相続税の申告期限の翌日から20年間で免除される規定がありますが、贈与税にはその免除規定はありません。
【納税猶予制度の打ち切り】
 納税猶予の打ち切りには、全部打ち切りと一部打ち切りの二種類があります。全部打ち切りがあった場合は、猶予された贈与税額とそれに係る利子税額を全額納付しなければなりません。一部打ち切りがあった場合にも、打ち切りに該当する農地等に係る猶予されていた贈与税及び利子税を納付しなければなりません。


○全部打ち切りになるケース(一例)
・農業経営を廃止した場合。
・納税猶予適用対象の土地の20%超を任意に譲渡等した場合。
・受贈者が推定相続人に該当しなくなった場合。
・「納税猶予継続届出書」を3年ごとに提出しなかった場合。
○一部打ち切りになるケース(一例)
・納税猶予適用対象の土地の20%以下を任意に譲渡等した場合。
・納税猶予適用対象の土地を収容等によりやむを得ず譲渡等した場合。


《注意点》
 収容等により、やむを得ず納税猶予適用対象の土地を譲渡等した場合には、利子税部分について減額される特例が受けられる場合があります。


 贈与税の納税猶予制度の手続きに関しては、種々の証明書や書類が必要となります。また免除や打ち切りに関しては、個々のケースがそれに該当するかを専門的に検討していく必要があります。
 納税猶予制度のメリットを最大限に活かすためにも、まずは相続税・贈与税の専門家にご相談下さい。