阪神グリーンクラブ・ニュース 139

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法律相談 弁護士 原田 弘 先生

用方に関する特約 -特約違反として契約解除は可能でしょうか-


Q.質問

私は賃貸マンションを所有していますが、ある借主が賃貸借契約に「ペットの飼育禁止」が定められているのに、小型犬2匹を飼っています。他の借主にも迷惑がかかるので、何度も飼育を止めるように申し入れましたが、聞き入れてくれません。
 この場合、賃貸借契約を解除することができますか。

 

A.回答

  本来、人がペットとして犬、猫等の動物を飼育するのは自由にできるはずです。しかし、その飼育環境が多数の居住者が集合して生活するマンション等でペットの飼育を自由に出来るとすると、家屋内の畳等が傷つけられたり、ペットの毛が近隣に飛び散り不衛生なことや、飼育に付きものの糞尿の衛生上の問題、鳴声による騒音等で近隣居住者の中に日常生活において種々の不快な念を抱く人がいるのは当たり前の事実です。このような理由から、「ペット飼育禁止」を契約書で定める例が多いのです。
こうした制約は、マンション等の集合住宅に住む者にとって最低限必要な制約ということができ、有効な特約ということができます。


 ところで、ご質問では、入居者が「ペット飼育禁止」の特約に違反し、何度も飼育を止めるよう申入れても、飼育を止めない場合、賃貸借契約の解除が出来るかということですが、原則として契約解除は可能です。判例によりますと、「・・賃貸マンションにおいてかかる特約がなされた以上、賃借人はこれを厳守する義務がある。・・」として契約解除を認めております。


また、別の特約違反の判例では、「賃借人の右特約違反が契約解除理由となるのは、それが賃料債務のような賃借人固有の債務の債務不履行となるからではなく、特約に違反することによって賃貸借契約の基礎となる賃貸人、賃借人間の信頼関係が破壊されるからであると考えられる。・・」としておりますので、信頼関係の点も考慮に入れなければならないでしょう。


しかし、信頼関係を考慮しても、借主として厳守する義務がある有効に定められたペット飼育禁止の特約を、その借主は承認して入居していると考えられます。貸主が何度もペットを飼育することを止めるように申入れても、それを無視する借主に対しては、信頼関係は破壊されているものとして、賃貸借契約を解除することが出来るものと考えます。