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健康クリニック 村木クリニック院長 医学博士 村木 宏要 先生

中高年齢者のためのスポーツ医学


高年齢化社会に伴い、中高年のスポーツが盛んです。
スポーツの楽しさ、その後の懇親は、体と心の両面に「生きている気持ち」を感じさせます。
しかし、中高年のスポーツには、骨、関節、筋肉、腱などの老化による変化があるため、油断すると容易に外傷や障害を発現します。
(医学的には偶発的に起こるけがを「外傷」と言い、慢性的に負担を反復した結果、体に生じる不調を「障害」と呼びます。)
  スポーツによる「障害」の特徴を知って、スポーツを楽しんで下さい。

☆ゴルフの動作から生まれる「障害」
ゴルフプレーによる「障害」の多くは、腰や膝関節、次いで肘や頚椎などの部位で起こります。

(1)腰の「障害」
最も「障害」が起きやすい部位は腰で、次の2つになります。
1.筋・筋膜性腰痛
  筋肉に大きな負担がかかり筋肉や筋膜が痛むもので、日ごろ運動不足の人が急にゴルフの動きをした場合に起こります。
2.腰椎や関節円板の変形による痛み
  スイングで腰を回す時に椎間関節や関節円板に大きな負担がかかり起こります。
ベテランゴルファーであるほど、腰を回転させるためか発症しやすいようです。
(2)膝の「障害」
  ゴルフスイングの際には、回転運動によって膝もねじられ、半月板に大きな負担がかかります。そのため、半月板が変性したり、傷ついたりして痛みを引き起こします。
(3)肘の「障害」
  インパクトの瞬間に手首を使い過ぎると、手の甲側にある筋肉が収縮します。
この筋肉が肘の骨に付着する部分の腱に負担がかかり、腱を痛めます。
(4)首の「障害」
  ゴルフスイングでは、首の位置を固定したまま急激に体をひねります。
そのため、首に大きな負担がかかり、筋肉だけでなく、頚部の椎間板が後方に突出して、椎間板ヘルニアが起こることがあります。

【ゴルフによる「障害」の予防】
  ゴルフというスポーツに特有な体の動きは、前述のような「障害」を引き起こす可能性があります。
老化した体の特徴を知り、以下の点に注意してゴルフを楽しんで下さい。
1.日ごろから運動(ストレッチングと筋力強化)に心がける。
2.ゴルフプレーの前に充分な準備運動を行う。
3.コンディションづくりと体調の悪い時は無理をしない。
4.気候や時間帯に注意する。
5.年齢、体力に合った運動量にする。
(オーバーにならないように)

☆テニスの動作から生まれる「障害」
  中高年のテニスで一番の「障害」部位は肘です。
肘の小指側の突出部が外上顆と呼ばれます。
テニス肘といわれる病態は、この外上顆とそこに付着する腱の炎症と考えられ、テニスのバックハンドで痛めることが多い「障害」です。
バックハンドでボールを受ける際、20kgほどの衝撃があるといわれており、それに耐え手首を一定の位置に固定するために伸筋が収縮し、外上顆部の筋腱付着部へ大きな負担が生じ発症します。
医学上の診断名は上腕骨外上顆炎といいます。

ゴルフ、テニスによる「障害」を知って楽しんで!
【テニス肘の症状】
  肘の関節には、痛みも機能障害もないのですが、腱の付着部の緊張を増強させるような場合に強い痛みを感じます。
受話器を取ったり、雑巾を絞ったり、ビールを注ぐときなどに外上顆部に痛みを覚えます。

【テニス肘の治療】
  バックハンドテニス肘の場合、指をのばしたり、手首を手の甲側に反るような力を加えないようにすることが大事です。
痛みが強いときは局所麻酔薬とステロイドホルモンを注射したり、消炎鎮痛剤や湿布を使用したりします。
  リハビリでは症状を有する筋郡のストレッチを行ったり、SSPなどの電気治療を行います。
痛みの軽減に伴って筋力増強を追加し症状の再発防止を行います。

【テニス肘の予防】
1.運動の前後は温熱と冷却を必ず行いましょう。
運動前は15分間の温熱パック、運動後は15分のアイシングです。
また、テニス肘用サポーターの着用も有効です。
2.筋力をつける
  1〜2キロ程度の鉄アレイをゆっくり持ち上げる動作を1日10回行います。
筋力トレーニングは、痛みがある時期に行うと、逆に症状を悪化させてしまうので、必ず痛みがとれてから行って下さい。
3.リハビリには、筋力トレーニングとストレッチを行います。これらは、再発防止にも効果があります。
  中高年齢の方は、体の老化による弱点を知り、充分な準備を行ってからスポーツを楽しんで下さい。